珈琲の時間
INDEX過去未来


2001年12月16日(日) トンネルの向こう側

静かな夜。


午前1時。
眠気が限界だったので談話室のソファーでちょっと休もうと部屋を出た。
誰もいなかった。
窓から外の景色を見た。
寒そうだな。

横になってからの記憶はない。

『起きて』
肩を叩かれる。

頭がぼぉっとしてる。
明るい廊下にぞろぞろと人が出ていく異様な光景。
暗い部屋から湧いて出るかのように。
いつの間にか皆来ていたのか。

後に着いて部屋を出る。
足が痺れてる。
びっこをひいてただ急いで歩いた。

『今、息がとまったところ』
そして微かに動いていたモニターのラインが直線を表した。


午前3時3分。

『大変良く頑張られたと思います』先生が死を告げた。


昨日の電話から丸一日。
几帳面な性格がでるのかな。誰かがそう言った。
自分で書けなくなってから皆で書いていた『与三郎日記』が
14日の夜、最後のページになりその後ろには皆の連絡先が書いてあった。
智子ちゃんがつくった泊まり当番表も左半分の15日で終わった。
昼と夜で当番の名前を書いて来れる人が記入していくもの。
15日の夜だけ誰の名前も記入していなかった。
16日も17日もその後もきちんと入っているのに。
皆の名前が書ききれないから空けてあったような不思議。
偶然かもしれないけど、こんな事ってホントにあるんだな。



4時半に家に着いて起きたのは午後3時だった。
頭が痛い。お腹すいた。
生きている証拠か。

まるで長い長い夢を見ていたかのような非現実感。

とりあえず御飯だ。
妹と中華丼を食べた。


urahihc |mailココロのスキマ

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