珈琲の時間
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静かな夜。
午前1時。 眠気が限界だったので談話室のソファーでちょっと休もうと部屋を出た。 誰もいなかった。 窓から外の景色を見た。 寒そうだな。
横になってからの記憶はない。
『起きて』 肩を叩かれる。
頭がぼぉっとしてる。 明るい廊下にぞろぞろと人が出ていく異様な光景。 暗い部屋から湧いて出るかのように。 いつの間にか皆来ていたのか。
後に着いて部屋を出る。 足が痺れてる。 びっこをひいてただ急いで歩いた。
『今、息がとまったところ』 そして微かに動いていたモニターのラインが直線を表した。
午前3時3分。
『大変良く頑張られたと思います』先生が死を告げた。
昨日の電話から丸一日。 几帳面な性格がでるのかな。誰かがそう言った。 自分で書けなくなってから皆で書いていた『与三郎日記』が 14日の夜、最後のページになりその後ろには皆の連絡先が書いてあった。 智子ちゃんがつくった泊まり当番表も左半分の15日で終わった。 昼と夜で当番の名前を書いて来れる人が記入していくもの。 15日の夜だけ誰の名前も記入していなかった。 16日も17日もその後もきちんと入っているのに。 皆の名前が書ききれないから空けてあったような不思議。 偶然かもしれないけど、こんな事ってホントにあるんだな。
4時半に家に着いて起きたのは午後3時だった。 頭が痛い。お腹すいた。 生きている証拠か。
まるで長い長い夢を見ていたかのような非現実感。
とりあえず御飯だ。 妹と中華丼を食べた。
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