ネバーランドの住人
ウエンデイ



 名女優

彼は、来週の土曜日は何している?と聞いてきた。
私は用事があったことを詳しく話したら、
逢いに行こうと思ったけど・・と言われた。

逢いに行く=愛情・・と思っていいのかな?
この日は、残念だけど、私の都合のつく日を
ゆっくりと話すことにした。
だけど、何かのついでなのじゃないかな?とか、
素直に受け止めていないのはあるんだけど。

でも、あまり深く考えないで、今を楽しもうと思う。
私は、相手の言動にビクビクしていた。
自分に魅力が足りないと思いこんで自信をなくしていた。
不安な気持ちを話したり、彼の御機嫌をとったり。
おだてて、悪い気はしないみたいだけど。
そして、すぐ、その気になる彼だ。

まあ、いいわ。
私には切り札のカードがもう一枚ある。
彼に決してひけをとらない相手が
私にアプローチしてきた。
でも、これは、今の彼に内緒にしておくことにした。
私が、彼を傷つけようものなら、何倍にも帰ってきて
心をズタズタにされるとわかったから。
私は、今の彼の前で演技をする女優となろう。
優しい従順な女を演じる名女優でいようと決めた。







2004年05月16日(日)
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