七転八倒 〜彩音の日常&育児日記〜
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私はこの音を聞くと、いまだに涙が出そうになる。 息子が熱性ケイレンで意識を失い、救急車で2回運ばれたことを思い出すのだ。 初めて息子がケイレンを起こした時、私は気が動転して、電話がまともにできず、 隣の家の方を呼んで、一緒にいてもらったことがある。
その隣の方も先日引っ越して、明日新しい住人に引き渡すことになっている。 ギリギリまで引っ越し作業をしていたお隣さんに、おとといも会うことができてよかった。 彼女には本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。
もとい。 救急車の音はいまだに苦手だ。 今日も、息子との帰り道、救急車が通りすぎるのを見た。 思わず涙ぐんでいる私に気づいた息子が、「どうしたの?」とたずねてきた。 今まで何度も聞かせていたから、その記憶がない息子も、話だけは知っている。 そのことを今日も話してきかせると、 「たーぼー、たおれちゃったの?おかーさんおもいだしちゃったの?」 そして、公園のベンチにすわるように息子は私をうながし、そっと私に抱きついた。 二人並んでお月様を眺めた。
この子は、母が涙しそうになると、必ず抱きついてなだめてくれようとする。 まだ8歳なのに、知的な遅れもあるというのに、ちゃんと母を守ろうとする意識を 持っている。 息子にはかなわない。 「ありがとうね」 私は今日も頭をなでたり、息子をたくさんかわいがった。
明日見るつもりのドラマ「たったひとつのたからもの」。 私にとっては息子が「たったひとつのたからもの」かもしれない。
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