おひさまの日記
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2003年07月22日(火) 戦う親子

ウチのアンナには、小さいなりに悩みがある。
保育園で怖い子がいるのだそうだ。
キッツイことを言われたり、叩かれたりしてるらしい。

実際、私の目の前でも、その子がアンナを、
まぁ、いじめとまでは言わないにしても、
ひどい!って思う扱いをしてるのを目撃している。

アンナは、保育園に行くのが怖い時がある言う。
その子にそういう扱いを受けるからだそうだ。
ゆうべ、アンナは「怖いよぅ、辛いよぅ」と泣いていた。
そして、そんなアンナを見るのもすごく辛い。

もちろん、アンナの言うことがすべて正しいわけじゃないかもしれないし、
ひょっとしたら、話がデフォルメされてるかもしれない。
その子だけが悪いんじゃないかもしれない。
だから、一方的にその子を云々とまくしたてる気はない。
でも、目の前で苦しむ自分の子供の気持ちを十二分に汲み取りたいのだ。
話の内容云々より、心を優先させるべき時もある。
それができて、初めて、出来事の真相にも触れられるのだから。

今まで私は、アンナに、
「悲しい時はいっぱい泣いていいよ。
 我慢しなくていいんだよ」
と教えてきた。

けれど、ゆうべ、それを撤回した。
「今までは、泣いていい、我慢しなくていいって言ったけど、
 これからは、泣くな。
 ぐっと我慢して強くなろう」
と、教えた。

そして、付け加えた。
「悲しい時は家で泣きなさい。
 帰って来て泣きなさい。
 ママが話を全部聞いてあげる。
 だっこして泣かせてあげるから。
 おうちで心を休ませてあげればいんだから、外では頑張れ!」

私が言うのもヘンだけど、アンナはやさしい子だ。
そのやさしさの裏返しで、弱く泣き虫でもある。
普段は明るくてぶっちゃけてるんだけど、逆境に弱い。
小さい時は私もいつも一緒だったから、そんなことがあったとしても、
「仲良くしようね〜」と、ヒクつく笑顔で止めに入ることもできた。
でも、保育園にいる時は盾になってやれないのだ。
アンナはひとりなのだ。

私は続けた。
「保育園にいる間は、ママはアンナのそばにいられないの。
 だから、アンナは強くなって自分のことを自分で守りるんだよ。
 離れていても、パパとママがいつも味方だから、
 ママが一緒にいると思って、頑張って。
 今度、○○ちゃんにそういうことされたら、
 泣かないで、言い返してごらん。
 叩かれたら、叩き返したっていいんだ。
 先生に怒られたらママも謝ってやる。
 ○○ちゃんのママにも謝ってやる」

私は、アンナの中に、自分の弱さも見たんだよね…

アンナは、
「透明になったママが一緒にいると思って頑張る!」
と、泣きながら答えた。
ハートが白い光で包まれて、傷つけるものを跳ね返すイメージワークをしてやった。
すると、アンナは、なんだかとっても強くなったような気がすると言った。

でも、そうは言ったものの、私はとても心配だった。
あの弱々しくて泣き虫な子が、果たしてできるんだろうか?と。

今朝「今日からアンナ強くなるよ!」と言って教室に入っていった姿を、
不安な気持ちで見送った。

お迎えの時間、ドキドキしながら園の門をくぐり、教室の方を見た。
すると、アンナがこっちを見て「ゲッツ!」のポーズを繰り返している。

近付いていくと、アンナが私に言った。
「ママ、やったよ、アンナやったよ!強くなったよ!」
話を聞くと、今日、例の子に立ち向かったそうだ。
邪魔だからどいて!と言って突き飛ばしてきたので、
いつもなら泣くところを、突き飛ばし返したと言う。
すると、また突き飛ばされたので、さらに突き飛ばし返したらしい。
「で、どうだった!?」と私が聞くと、
「○○ちゃん、泣いた」と、アンナ。
ふたりで顔を見合わせて、ほくそえんだ。
アンナにどんな気分だったか聞いたら「心がスッキリした」と答えた。
「明日から頑張って保育園に来られるよ!」と。

そう言いつつ、
その子と仲よししてることだってあるのだから、
まあ、色々とドラマもあるのだろう。

私は、ひょっとしたらいけないことを教えているのかもしれない。
言い返してこい、やり返してこい、なんてさ。
でも、この際、善悪なんかいいんだ。
人生はサバイバルだとアンナに教えたかった。
やさしいことは大切なことだ。
でも、それだけでは生きていけない。
やさしさと強さを合わせ持つことはとても大切なのだ。
そして、今日の体験が、
アンナに、自分の力で自分の人生を変えられるということ、
そして、視点の切り替えをするということを教えたはずだ。
自分に自信も持てたに違いない。

今日、アンナは、弱虫泣き虫アンナを卒業したのだ。
自分の力で。
自分の意志に基づいた行動で。

まだまだこれからも色々あるだろう。
泣くことだっていっぱいあるだろう。
それでも、たくさんの体験を通して、大切なことをつかんでいってほしい。

子供は少しずつ親を離れていく。
それまでの間に、ひとりで歩いていくための力を持ってほしい。
そして、そのために、何かできるなら、精一杯してあげたい、そう思った。
私は初めてアンナを激しく突き放した。
でも、彼女はそれを受け止め、自分のすべき行動をやってのけた。
とても嬉しかった。
こうして子供は育っていくのだなぁ…って。

自分が手を出せない領域にいてトラブルに巻き込まれている子供を、
ただ見守っているのは拷問に等しい。
苦しむ子供をどうにもできない、手を出せない、そのもどかしさは形容し難い。
本当に辛いのだ。
親になってみて初めて知る痛み。

これは、もう、戦いだ。
自分との戦いだ。

子供は自分の世界で周囲と葛藤しながら自分と戦う。
親はそれを遠くで見守るという別の自分との戦いをする。
同じものに向かって、それぞれの形で、それぞれが戦う。
戦う親子なのだ。
いわば戦友だ。
私とアンナにも、そんな、親子の秘密の戦いがある。

私は、アンナの素晴らしい戦友でいたいと思った。

頑張れ、アンナ!
いつでもママがついてるから。
一緒に戦うぞ。


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