おひさまの日記
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2004年02月08日(日) |
それぞれ足して丸くなる |
先日、母と会話をしていて、 大切なことや話したことを忘れているので、 痴呆が始まってしまった…と、ショックを受けていた。 でも、よくよく考えると、そう、実は母はすっとぼけなのだ。 あまりに忘れっぽいのだ。 私はそれを忘れていた。
今日も電話で母と話したら、 2,3日前に話したことや、約束したことを忘れている。
ああ、そうだ。 母は昔からそんなふうで、いつもそれを父にものすごく怒られていた。 私は母がそんなふうだから、家の中がいつも荒れるのだと思ったこともあった。
でも、今日「母はこういう人!」って思ったら、 なんだかすっごくスッキリして、何かがはがれていったような感じがした。
そして、彼女に伝えた。 「もう、お母さんは何も覚えてなくていい。 すぐに忘れちゃうんだから。 大切なことは私が覚えてるようにする。 その代わり、うんとおいしいもの作って食わせてくれ」 母は受話器の向こうで「うひゃひゃ〜」と奇妙な笑い声を立てた。 私も大笑いした。
一気に楽になった。 どうしようもない母の忘れっぽさは、どうしようもないのだ。 だから、どうしようもないことを前提にしたら、 ものすごく楽になった。
私にできることを私がして、 母にしかできないことを母がして、 それでも足りなければ,誰かの力を借りて、 それぞれ足して丸くなればいいじゃないか。 人生すべてにおいて言えることだ。
なんて、簡単で、素晴らしいことだろう。
私は嬉しくなった。
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