おひさまの日記
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今日、一通の手紙が届いた。 以前通ってきてくださったクライアントさんからだった。
引きこもっていた彼女は、父親に連れられて私を訪れた。 その後、ひとりで通うようになった彼女だったが、 両親からセッションをやめるように言われた。 「本当は続けたいんですが、金銭的に両親に世話になっているので…」 と、後ろ髪引かれつつ来なくなった。
やっと彼女が心を開き始めた矢先、とても残念だった。
それから1年と少し経って、その彼女から手紙が届いたのだ。 近況と今感じていることを綴ったその手紙から、 私は彼女が確実に変化し、前に進んでいるのを感じた。
あの後、色々な経過があり、家にいることに無理を感じ、入院したそうだ。 そこで、同じ痛みを持つ人達との交流があり、 それがとてもいい体験になった書いてある。 退院後、独り暮らしを始め、去年の暮れから仕事も始めたという。
結局、私は、彼女の人生にあれ以上かかわることはなかったけれど、 今、彼女は、自分の人生の流れの中で、自力で道を切り開いている。 その時、その時、苦しいことが訪れ続けただろう。 けれど、彼女がセッションの時に言った「変わりたい」という言葉、 その言葉に込められた想い、それが彼女を今ここに運んできたのだろう。
嬉しかった。 本当に嬉しかった。 人の力の偉大さ、セラピストなんぞいなくても人は変われるという喜びを感じた。 でも、それじゃあおまんま食い上げだな〜、なんて思いつつ(笑)
彼女は、バイトをしているという店の場所も書き添えてくれた。 私は、今日、早速その店に行ってみた。 ガラス越しに彼女らしき姿を見つけた。 でも、なんか違うような… 近付いてよくよく見てみると、やっぱり彼女。 私はガラスをコンコンした。 彼女はびっくりしてこちらを向いた。 ガラスを挟んで、私達は口をぱくぱくさせて話した。 店の中に入って、改めて見た彼女は、別人のようだった。 骸骨のようだった顔がふっくらとして、あの頃の面影はなく、 笑顔がとってもキラキラしていた。
少し話し、買い物をすると、私はまた来ると伝えそこを去った。
帰り道、足取りが軽かった。 嬉しかった。 本当に嬉しかった。 いや、私が何をしたわけでもない。 でも、ほんの少しでもかかわった人が、 こんなにも変わっていることが、本当に嬉しかった。
そして、何より、手紙をくれたのが本当に嬉しかった。 覚えていてくれたんだなぁ… ありがとう。 やっぱりこの仕事しててよかった!って思う瞬間。
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