おひさまの日記
日記インデックス前の日の日記を読む次の日の日記を読む


2004年04月09日(金) ゆっくり歩く

最近あたたかくなってきたので、
歩いてアンナを保育園に連れて行っている。
年長さんになったこともあり、
ギリギリ駆け込んでいた今までを反省し、けじめのためにも、
以前より30分早い登園をすることにして、時間的にも余裕ができたのだ。

ぽかぽかあたたかい中をふたりで歩く。
ゆっくり歩く。
時には一緒に歌を歌ったり、スキップしたり。
アンナは道ばたの花をつんで髪やバッグに飾ったり、
木の枝を拾って振り回したり。
なんだかとても楽しく、嬉しい。

遅刻ギリギリで車を飛ばして保育園まで行っていた頃、
私は本当にたくさんのものを見落とし、
また、失っていたんだな…って思った。

おしゃべり好きな管理人のおじさん、
近所のきれいに手入れされた庭、それをいつもいじっているおじさん、
道ばたに咲いている小さなホトケノザやペンペン草、たんぽぽ、
いつも寝ている犬、
青い空やふわふわの雲、
洋品店の前のプランターに植えられた季節の花々、
近くのお寺のたくさんの桜の木、
アンナは歩きながらそれらみんなにあいさつする。
おはよう、いい天気だね、キレイに咲いてるね、保育園に行ってくるよ、
それぞれに声をかける。
そんな様子を見ながら、私も真似してあいさつしてみたり。
そして、なんだか嬉しくなったり。

わずか6、7分の道のりなのに、
なんだか、そこには、言葉にならない魂を揺さぶるものがいっぱいある。
私は嬉しくて泣きそうになる。

空はこんなに青くてキレイなのか、
雲はこんなに白くてやわらかなのか、
風はこんなに気持ちいいのか、
花の香りってこんな感じだったっけ、
おはよう、ってあいさつするだけでこんなに嬉しいのか、
ひとつひとつが感動であることに気付く。

そして、それらはすべていつも変わらずそこにあるものなのに、
自分が走り去っていたから見えなかっただけなのか、そんなことに気付く。

そして、私は今ここで生きているんだ、そんな想いが胸をよぎっていく。

ゆっくり歩くっていいな。
先を急ぐことは悪いことじゃないけど、それで見落とすこともいっぱいある。
見落としたものは、ごく普通のありきたりのことなんだけど、
きっと人にとってすごく大切なものなんじゃないかな…なんて思った。

そして、それは、私達の人生にも言えることだと思う。
生き急ぎ、ピリピリすることも必要な時があるけれど、
立ち止まり、歩みを遅くし、ゆっくり生きてみることが必要な時もある。
時には、ゆっくり歩くどころか、
立ち止まったままそこにただいることだって必要な時があるだろう。
私達は、そんな時に、真実を見たりするものだ。
だからこそ、次に全力ダッシュもできるのかも、なんて思った。

いつも、私達にとっての大切なことって、
とてもシンプルで、ごくごく普通で、ありきたりのものだったりする。
だからこそ、生き急ぐ時、あまりにあたりまえ過ぎて見落としてしまう。

だから、ゆっくりと歩くように、人生もゆっくり歩いてみたいと思った。
急ぐ時は全力で走りながらも、それだけでない人生を送りたいな、って。
春の朝、小さな手を握りながら思うこと。

春は私に魔法をかける。


エイミー |MailHomePage
今日も読んでくれてありがと♪すごくうれしい!
My追加
エンピツユニオン