| 2002年03月12日(火) |
第77夜 アイスランド 露天風呂体験 きっもちいい! |
* 本日のできごとは、徳島県山川町今関さん宅からです。
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8/6<土 曇りのち晴れ> ニャルスビクYH2泊め 予定 1時 ブルーラグーンへ 5時 ケフラビクのスーパーマーケットに買い物
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午後1時、YHの前の前で待っていたら、「ブルーラグーン」行きのバスがくるからと無愛想おネエさんに言われた。 しかし1時20分になっても来ない。待っているのはドイツ人らしき若いカップルと私。「あなた達もブルーラグン?」と訊いたらそうだという。 「変よね、時間を過ぎているのに」 男がうなずく。 「彼女に訊いてみる?」 OKと男がYHのカウンターにある呼び出しスイッチを押し行こうとしたところでマイクロバスの姿が見えた。 ヤレヤレ、アイスランドタイムだ。
ブルーラグーンはいってみれば人工露天風呂。<といっても水着着用で入るが>スヴァルツェンギ地熱発電所が発電ために地底からくみ出す熱水の余りを屋外にためたとか。 皮膚病などの治療効果が認められているらしい。 アイスランドの代表的観光地の一つである。
毎度おなじみの溶岩台地をばんばんぶっ飛ばしたバスは、もこもこと盛り上がった溶岩の谷間にあるバスロータリーに止まった。 温泉らしきものは見えない。 観光地と聞いているのに土産物屋らしきものもない。いつかレイキャビクで会った母子連れの人たちが「寂しくて長くいたくなかった」といっていたが、日本の温泉地などとはずいぶんちがう。 見ているとほかの観光バスから降りた人たちが溶岩の間に着いた小道を歩いていく。 どうやら「あちら」らしい。 人の行く方に行けば何かあるだろう。
溶岩小道を進んだらりっぱな建物が見えてきた。 あれだ。 中にはレストラン、土産物屋、そしてブルーラグーンへの入場口があった。 2時間800クローネを払って、ウルトラマン時計バンドのようなのようなものを持たされた。 「ここは、初めて?使い方、知っている?」と聞かれる。 知らないと首を振ると、入るとき、更衣室、出るときに使う、なくさないようにと念を押された。 入るとき、というので見たら入り口でベルトを機械に「ジッ」<音が出るわけではないがそんな感じ>と認識させている。 ふーん。 着替えをすますと、ロッカールームで、自分のボックスを閉める前にまた「ジッ」。 鍵代わりに使う。 わかってきた。 入場券と、タイム記録、ロッカーの鍵などのすべてをウルトラマン時計バンドにさせているというわけだ。 このごろ、日本なんかもこうなのかな。
びっくりしたのはシャワールームだ。 なんとみんな、すっぽんぽんで身体を洗っている。
水着を足下にづり降ろして、シャワーの脇に付いている石けんを使う。そばにはイラストで洗う場所まで指示されている。 脇の下とか、股の間とか・・何、これ。 でもみんなしている。 やっぱり郷に入りては、だから、せねばである。 やりながら考えた。 寒冷なこの国の気候だと、汗はあまりかかない。毎日シャワーを浴びる必要がない。 しかし人間の身体は毎日新陳代謝している。 アイスランダーの身体はそういう意味で余り清潔とはいえない。 水を汚したりばい菌を繁殖させないために露天風呂にはいる前に身体の洗浄。 ホントかなー。 勝手な想像、イヤ妄想です。
身体洗浄して、いよいよご入浴。 階段を下りると室内お風呂がある。 しかしなんといっても外だ。 広大に白濁したお湯が広がっている。 白なんだけど、若干青みがかっているような・・・だから「ブルー」なんだろうけど、不思議な色だ。 濁っているので、底が見えないのが恐い。 おそるおそる入る。 大丈夫みたい。 温度も多分、40度ない。 動くと微妙にひやりとするような。いつだったか栃木県の板室温泉に入ったときこんな感じだった。あのとき温度は、約36度くらい、だったはずだ。うーん、なかなか気持ちいい。 アイスランドに入って以来ずっとシャワーだったし、お風呂好きとしてはやっぱり極楽、極楽。
そろそろと、真ん中へいってみる。深いところでも足が立つ。 親子連れは浮き輪やビーチボールで遊んでいる。 ほとんどプールのノリだ。 日本だとこの色だと硫黄臭いはずなのだがにおわない。顔に白い泥を塗っている人がいる。 この泥は肌にいいとガイドブックに書いてあるせいだろう。 レイキャビクの土産物屋にはここの成分を生かした「ブルーラグーン」という名前の化粧水まであったし。 「日本人ですか」 首までつかる深さのところでボヤンとしていたら声がかかった。 相手は色の浅黒いきりりとした男性。 でも泥で白くぬっているのでなんかアヤシイ。 「ええ」 「急にすみません、私2年前日本で働いていました、ペルー人です、カルロスといいます」 しっかりとした口調。すみません、なんて、おお、だ。
カルロスさんのおばさんは日本からの移民。小さい頃から日本語は耳にしていた。日本で「佐川急便」や工場などで働いた。 「お兄さんがアイスランド人と結婚しておまえも来いというので来たんですが、アイスランドはモノが高い、日本も高いけどそれ以上。タバコもビールも高い。税金も高い。二つ仕事しないとやっていけない、住みにくいね。それに日本では日本語がうまくなると給料が上がった、でもアイスランドではそれがない。アイスランド語はむずかしいので英語で話すとアイスランド語で言えといわれるし」
お兄さんが住み着いたこの国は、彼にとってはやりにくい国らしい。 「アイスランドの人と結婚して、ずっと、この国に住むということは・・」 「それは、ないですね、もっと暖かい国がいい・・」 そして、また日本に行きたい、働きたい、使わないと日本語を忘れると彼は言った。 ことばも知らず、どんな国かもわからず来て働き、でもこの国ではなくてまたちがう国でやりたいというパワーはすごい。 オラフスビクであったフィリピン人の女性、タイからデンマークに働きに行って結婚したギンさん。みんな大したもんだと思う。
帰りのバスは4時。 それまでの時間どうしょうかだったが、カルロスさんと白濁の湯にどっぷり浸かって話すうちに過ぎた。 夕方、YHのおネエさんがスーパーに車で連れていってくれた。 愛想のない人だが、頼むと親切だ。 このYHも町のはずれ。 スーパーまで自力で行くとなると30分は歩かないと行けない。
>>>>>>>3月12日(火 晴れ) 本日のできごと>>>>>>>
今日も徳島県山川町はいい天気だ。 外に出ると暖かい。 朝食前、前の畑観察にでる。 カブ、空豆、エンドウ、ネギなどが育っている。
今日の朝食は、お里芋のみそ汁、おつけもの、おひたし、梅干し、じゃこのかかった大根下ろし、お豆とじゃこ、うめぼしで炊いた発芽玄米。すべて自家製。うまいんだ、みんな。ご飯なんてお代わりしてしまった。
飛行機は12時45分。9時58分、山川駅発のJRに乗る。 アッという間の2泊3日だった。 帰りに今関さん特製の玄米クケットを購入。食べるのが楽しみだ。 パンや、おみそ、どぶろくまでおみやげ、と頂いてしまった。 みんなたのしみ。 私って、食い意地がはっているからなあ。 2泊分とクケット10ヶで12000円。2晩、飲んだくれていたのに申し訳ないようなお値段だ。 「今度来るときは友達だからね、お金はいいんだよ、また来てよ」 と今関さん。 なんか、ありがたくて恐縮。 今関さんは明日から入院なのだ。心臓の検査。そんなときに私のお願いをきいて下さって感謝。
本にサインをしてもらった。 「万民直耕」の字。安藤昌益の言葉。これは今関さんのお考えでもある。 賛成だ。
9時半過ぎ、駅まで送っていただいた。 力強い握手。 この手で脱サラして農業を始め、独自な生活を勝ち取ってこられたのだ。
飛行機は空いていた。
3時半近く、うちにつく。 横浜も暖かい。
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