世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年03月14日(木) 第79夜 アイスランド出国 ★映画で旅するイスラム 1★

8/8<月  早朝ガスと小雨>   出国日

 5時起床。YHの食堂で食事を軽く食べて6時に来るように頼んだタクシーを待つ。ところが、来ない。参った。

5時半頃「私も空港に行くよ、乗っていくかい」といってくれたオランダ人のおじさんのお誘いを断ったばかりだというのに困るじゃないか。
おろおろしていたらまたまた「どうしたの」の声。
さっき奥さんと食事をしていたおじさんだ。
「車が来ない。多分、受付の彼女が私のタクシー予約を忘れてしまったんだと思う、忙しそうだから」
「そうだね、多分。私たちの車に乗っていけばいいよ。あなたもアムステルダムに行くの」 
なんとおじさん、私が「多分」を「メイビー」といったのに「プロバブリ」と言い直して誘ってくれた。
ありがとう。

おかげで、無事ケフラビク国際空港<正確にはレイブル・エイリクソン空港というらしいが>着。
 時間よりおくれて離陸。
なんと離陸の前に「席を替われ」とスチュワーデス。
お客をカードのように取り替えて親子連れを並んでかけさせてやろうということらしい。
「私は通路の席が好きなの」<ホントにそうなんだけど>。
お断りした。
でかい態度で変わるのが当たり前だろという感じでたのまれてもね。
それに子どもといっても小学高学年ふう。
親と並ぶ必然を感じない、私は。

はっきり言ってアイスランド航空の客室乗務員は、一昔前の中国のスチュワーデスみたい。
だって、通路に出た客の足をけ飛ばしてたし、着陸態勢にはいる前、シートを倒していた客の席をいきなりグワと押してにらみつけた。
こわいんだ。

3時間の飛行でアムステルダムに着いた。
高校時代からの友人、ミエコが手をふって、出迎えてくれた。
ヤレヤレじゃ。

こうして「私流 知られざるアイスランドの旅」は終わった。


☆★☆本日の・・・・映画で旅するイスラム世界・・・・☆★☆

場所 赤坂ツインタワー 国際交流基金フォーラム

【14時30分 「ラグレットの夏」チュニジア 1996】

舞台は北アフリカ、チュニジアの海辺の町。
1967年の第三次中東戦争勃発前夜。
メリエム、ギギ、ティナ。16歳、好奇心旺盛のチャーミングな女の子。男の子達の人気者である。町を歩けば男が寄って来るという感じで・・・。
三人の父親達はそれぞれアラブ系ムスリム、ユダヤ、カトリック、と宗教も民族も異なるが、子供の頃からサッカーをやっていた幼なじみだ。
ところで3人の女の子達、8月15日のマリアさまの日に処女を捨てようと計画を練っていた。
それが騒動を引き起こし、父親達も反目することになるが・・・。
軽妙なタッチで異なる宗教の人たちが仲良く、時にもめながら、陽気で楽しく暮らしている様子が描き込まれている。
しかし、この生き生きとした町の生活が中東戦争によってすべて破壊された・・・まさに過去完了した物語だと思うと何ともせつない。

ところで、ラグレットはあの大女優、クラウディア・カルデナーレの故郷。彼女が自分役で出ていた。

【17時 「蝶と花」タイ 1985年 】

主人公はフージャンという少年。母はいない。父親の仕事がうまくいかないので学校をやめてアイスキャンデーウリになったけなげな子だ。
しかし、学校時代の女友達のミンピーに米の密売の方が実入りがいいと進められて転身する。父が事故で身体が不自由になったので彼が一家を支えなければならなくなったのだ。
自分の稼ぎで、弟と、妹を学校にやるが、仕事は常に危険と隣り合わせだ。ある日、きょうで密売の仕事を辞めるといっていた友達が死ぬ。
彼はミンピーと共に、花畑を作ろう、それをマレーシアに売りに行こう、米の密売の仕事はやめようときめる。
この辺の突如の飛躍が、タイの貧しさ、その中で夢を持つこと困難さを語っている。北タイに行ったときみた極貧を思い出した。

密売人達はみんな若い。切符を持たずに汽車に乗る。
車掌が来るみんな屋根に逃げる。密売人達をのせて緑したたたるタイの風景をゆっくりと走る列車。何ともユーモラスで自由で美しいシーンになっていた。(現実の厳しさと裏腹なのが皮肉だが)
また夕闇の中を走る列車は、まるで銀河鉄道のように美しかった。
この映画のみどころは何といってもこの列車シーンだろう。

なおこの映画の舞台はタイ南部。南部はモスレムが多いと聞いてはいたが、なるほど、であった。

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できごと

確定申告がおわんないのに、外出。いいのか・・しかたない・・・だめな私、だ。
神保町で、編集の方と本ができたお祝いということでお昼をごちそうになった。
「もへじ」に来ていた子達、3人が今年高校だ。お祝いを買う。
おいにも就職祝いのネクタイ。
春は物入りだ。

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