世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年03月15日(金) 第80夜 ★ 映画で旅するイスラム 2 ★

洗濯をしてから半徹夜で完成した確定申告書をもって税務署へ。風が強いし、気持ち悪いほどあたたかい。
駅近くの桜が咲き始めた。ジャケットの下に半袖Tシャツ。マウイのクジラのヤツ。うれしいね。
その後、昨日と同じく赤坂の国際交流基金フォーラムへ向かう。

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★映画タイトル  他者(エジプト )

UCLAのTシャツを着た若者が留学先のアメリカからカイロの空港におりたった。そこには新進ジャナリストの美女。目と目が合ったとたん、もちろん二人は恋に落ちる。
若者、アダームはエジプトでも有名なお金持ちの一族、美女、ハナーネはテロリストになった兄は行方しれず、裁縫で生活している母と二人慎ましく暮らす。
 かなりの身分の違いだが何のその、なんとあのギザのピラミッドで花火をばんばん打ち上げながら結婚式と相成った。
披露宴でピラミッドをバックに踊る二人は文句なく美しい。ところが文句がある人が一人いた。アダームの母親だ。常軌を逸した息子への愛、で、ハナーネがアダームの一家がからむ不正な事業を新聞で暴露したのをきっかけに、二人の仲を裂こうと画策する。
テロリストの兄にハナーネを売ったのだ。
そして、警察に彼らの居所を密告した。
すべてに気がついたアダームがナハーネを救おうと駆けつけたときには遅かった。隠れ家を包囲した軍隊のいっせいに攻撃を始めた。それを遮ろうと飛び出たアダームは打たれる・・さらにはハナーネも・・・。

目と目の火花で恋に落ち、想像シーンでは踊り出して歌い出す。いやはや、けっこう笑う。監督のシャヒーン氏は、エジプトでは有名らしいが、娯楽映画の面目躍如だ。音楽も展開も大げさというか安易で、でもそれはそれでそれで面白い。
私がひたすら明るいと感じたエジプトの人ってこういう映画見ているのね、と思った。
ショックだったのは、テロの映像が劇中劇であったのだが、そのシーンがあの「飛行機が高層ビルにつっこむところ」。まさにあの悪夢のシーンだった。この映画は1999年に作られている。つまり、アラブの人たちには高層ビルにつっこんで自爆するという発想はけっこうふつうにあったのかしらん、と思った。
アムステルダムで、ミエコがアムスのモスレムの学校で2002年のカレンダーの写真に同じシーンが印刷されていて問題になったと新聞に書いてあったといっていたけど、この映画からだったのかも知れない。

ラストシーンは、まさにロミオとジュリエットだった。しかし、コソボでの戦争でも似た話が実際にあったよなあ・・・。

★ 闘牛師(マレーシア 1997年)

マレーシアは独立後、厳しいイスラム原理主義をとり、マレー独特の闘牛は禁止された。闘牛師だったママットは、仕事を失った。そこで闘牛のできる場所を求めて
家族や親友のラジムと共に南タイへ移住する。
ある日、敗北を恨んだ対戦相手に闘牛も親友のラジムも射殺されてしまう。
警察に届けずに「目には目を」と撃った相手を殺るべく、男の名誉をかけて捜す。
やがて、ラジムの息子達がそのひとりを射殺する。
やがて、闘牛当日2回目の殺し合いが・・。ママットは同胞同士が殺し合うむなしさを知るが、ラジムの息子が持つ銃から火が噴いて・・。

何しろ、突然、牛と人がババ−ンと殺されるシーンから始まったのだからもうびっくりだった。くらーい映画でしたわ。
マレー式闘牛、というのが面白かったけど。
他者も最後は血塗りのシーン、これもで・・・疲れましたわ。
平和ボケした日本人には、この2本の血みどろはこたえます。

コーランの教えと共に、彼らは熱すぎるんだわねえ。
旅先で日本人の体温の低さ、血の冷たさを感じるこの頃だけど、熱すぎるのもなあ・・・。


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