世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年05月24日(金) ★花山院まで★

花山院は、番外ではあるけれど、西国札所を巡錫され、創始者とされている徳道上人ともに西国札所の縁起に関わるお方で、ここが菩提寺となっている。
藤原氏にだまされて19歳で、出家というアンラッキーな運命を背負った天皇だった。
今日は、中山観音からここへ向かう。

6時半、宝塚より戻って門前をでた。
風さわやか、いい天気になりそう。いずれにしろ暑くなるのだろう。
巡礼街道という、案内札が出た道をぽくぽくといく。
宝塚の少し高台になっている地域を横断する道だ。家がすべて真新しいのは震災のせいだろうか。昨夜はなした旅館の主人が、古い家は全部つぶれました、火事にはならんかったから、目立ちませんでしたが、この辺もようけなくならはりました。

今日の道は中国自動車道と、国道176号線につきあっている旧道をいくルートだ。何しろ騒音、ごう音をあげているビッグロードが目印になるから道間違いの心配はない。
不思議なのは、一歩旧道にはいると、田圃(それも、棚田)や畑があることだ。
漂ってる空気がのんびりしているのがいい。

有馬川に出る前に、阪神大震災犠牲者納骨所「飛雲殿」というのがあった。

有馬川沿いの国道はきれいにしたばかりらしくて歩道が広い。このごろ、歩道、バリアフリーというと予算が付くらしいけど、そういう感じの道路だ。

1時前に、三田駅前に着く。
観光案内所で、ホテルをきいて予約を取る。受付にいた人が暇だったらしくて、杖を見つけていろいろときいてくる。
昨日もそうだったけど、観音様の宣伝局って感じだ。

座ったら、なんか動く気がしなくて、おしゃべりしてついつい3,40分がすぎた。行かねば・・・・
後6,7キロ。ゴールは花山院。
受付の女性、おもしろそうなパンフレットをたくさんくれたが、もてない、というと、送るといってくれた、ご親切様。
歩き始めたが、かかとにできたマメが痛い。歩幅が極端に小さくなっているのがよくわかる。靴の選択ミス、だね、とつくずく。

それでも、3時半過ぎ到着、最後に観音霊場おきまりの一気に高度を100メートルほどもあげる、に参ったよ。毎度・・で覚悟はできてきましたが。
門前に、お参りをしてから納経所に来てください、華美、露出の服、飲酒の人は門前より入るべからずと書いてあった。ただ、集印しても、幸せにはなれない、とも。
骨のある寺じゃ。気に入った。
これを全部の観音霊場にはってほしい。

お参りを済ませて納経所にいくと、もちろん私一人だ。
張り紙に大いに共感することを受付の男性と話した。
「とくに、観光バスで団体で来る人がひどいな、ガイドが一言いったらいいんじゃ」
 そう思います。
観光案内所の女性が、ガイドブックなんかには気むずかしいご住職と書かれたらしいけど、そんなことありません、立派な方ですといっていたが私もそう思う。

ご住職の気性のように、さわやかな気配が漂う寺だった。
標高400メートル。展望も見事。

下山後、4時26分のバスで、三田駅前に帰った。(同じ道は歩きたくない・・・)
プラザホテル三田、なんと、禁煙ルームがあった。初めてのことだ。
たばこのにおいがしない部屋って久しぶり。我が家みたい。

駅前のワンコイン(500円玉)食堂で中華丼。これはいまいちだったが、ソフトクリームがものすごくうまかった。
明日もいい天気みたいだけど、どうなっているのよ、空さん。
でも降るよりいい。

平穏是貴人  の一日。


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