世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年05月27日(月) ★書写山 圓教寺から正念場ルートへ★

今日もよく晴れている。5時10分起床。
6時7分発の播担線に乗って野里まで。そこから歩きのルートに乗って歩く。
体が軽い。やはり昨日半日休みで遊んで楽をしたおかげだ。
昨日の車観音さんご夫婦に感謝。

書写山は、西の比叡といわれているお寺で、下からはロープウエイがついている大寺だ。もちろん、私は歩くが。
ロープウエイが見えてきた。
見上げるばかりのお山だ。やれやれ、観音様、またまた登山させてくださるんですね。
登山口はすぐに見つかった。岩山だ。登るほどに景色がよくなる。かつては女人堂があって女は禁制だったお山。男性的で力を感じる。
ところが、山陽自動車道が通っているところに来たら下から不気味な音がする。こんな霊山に穴をあけてしまっていいのか?

登り始めて40分あまり、無事に下から望んだロープウエイ駅に着いた。
しかしここはまだ、入り口にもなっていない。
さらに歩くこと、10分あまり、やっと登山口(東坂)から、18丁のしるべ石が山門に立っていて到着となった。
お寺は舞台造り、なかなかだ。
新緑の紅葉が美しい。

白衣をつけて身支度をしてお参りだ。しばらく(3泊4日・・120キロ)はお寺がない。
それにしても気持ちのいいお寺、しばらくいたい感じがする。
ここは、やっぱり霊山だあ。
こんなとこに穴あけた山陽自動車道、いいことないぞう。

ゆっくりしたいが、時間が・・お寺に着いてから、あっという間に1時間がすぎている。
今度は置塩坂を降りる。
やはり山道だ。今度は見晴らしはきかないが、杉林、竹林の中歩きで涼しい。
こういう地道大好き。疲れないもんね。
樹相が雑木に変わったとき、携帯が鳴り始めた。
熊野を共に歩いたS氏だ。
彼も西国を歩く希望があって、仕事の休みを利用してまわる予定らしい。
今日は、休みなので、同行3人(観音様と3人連れ)の申し出があったのだ。
神戸在住の彼にとっては、かなりのところが日帰りで歩けるという。
土地勘もあるし、うらやましい限りだ。

夢前役場で合流するという。そこでお昼だろうから、と彼はいうが・・行ける?
まあ、がんばろう。
携帯を切ったとたんに、前から人の声がしてくる。見れば女性二人が登ってくる。
「まだだいぶんありますか」
「ええ」
 とまあ、話が始まって、こちらから登ると、入山料がいらないし、いいかもと私がいったら、私らいつも払っているし、いいやんな、と二人は笑う。
 地元の方らしい。
 杖を見て一人の人が、歩いてはるんですか、ときく。はい西国を・・へえ、いいですね、いつか四国を歩きたいと思うているんです・・という話でまたまた話がはずんだ。
書写山は霊山ですよ、パワーがあると思いますよといったら、私らも好きでよくくるんですよと二人。そして、とっておきのパワー神社を教えていただいてレーズンクラッカーもいただいた。感謝、でした。
この間15分から20分。おやおや、1キロから1キロ半は歩ける時間を山道で、出会った人と楽しくおしゃべりをしていたということなんだ。
名残惜しくお別れした。

夢前川沿いに歩く道。時計は10時45分。役場までは9キロ近くある。昼、無理だよ。
まあ平らだし、せかせか歩いていたら、携帯がまたなった。
「今、バスで追い越したから、次のバス停で待っている」とS氏。
「今のバスに乗っていたのね」
「そう、いるかなと思ってい見ていたんだけど、姿が見えたから」
これでせかせかとあるかなくてすむ。
川面をわたる風は涼しいのだが、やっぱりあついし、急ぎ足は疲れます・・・。

夢前から、山ごえで福崎、市川と越していく。
藪の道では、S氏に蛇よけになってもらった。どうも、あの長モノいかん・・・。

仕事のこと、四国の道のこと、阪神大震災のとき会社にいて助かったことなどを話す。
一人で、ぼちぼち歩くのもいいが、話し相手がいるのもたまにはいい。
ありがとうどざいましたね、S氏。

夕立があったので途中で30分ばかりも雨宿り。鶴居の駅前に着いたのは、5時20分、電車は5時25分。ちょうどよかった。
この市川町は宿がない。
福崎駅まで電車。駅近くの宿に泊まって明日またここから出る。

福崎駅前で、きょろきょろしながら歩いていたら、後ろからはじを歩け!とどなられた。びっくりして振り向いて「すみません」と謝ったら、「四つも目をつけといてどこ向いてあるいとんじゃ」と毒づかれた。わあー、こんなこといわれたの初めてだ、またびっくり。四つも目を、というのは私が眼鏡をかけているということなんだろう。
この町って田舎なのにのんびりしていないのね。

明日からは、距離と足と、宿の確保が大変だ。







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