世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年07月05日(金) ★ただいま、高知駅前★

夕べは、国道のトラックの音で時々目が覚めた。Kさんは、私はなれているけど・・ということだったが、mohejiは、結構睡眠不足ぎみ。
外は今にもふりだしそうだが、おちてはいない。
6時少し前に、食堂に行く。朝食をいただいて10分過ぎには出た。
かとりの女将さん、外で合掌して送ってくださった。前もそうだったな・・・
国道沿いに新しいホテルができていた。
高知黒潮ホテル開業したばかりだ。足湯、天然温泉・・いいねえ。おまけに素泊まり和室、1里4000円、シングル4800円、安い。かとりさんは大変なことだろうが、お遍路さんには朗報だ。(野市 幟立の先 0887−56−5800)
それを眺めていたら、おじさんが車から降りてきて、わざわざ道を教えてくれた。
ご親切様。
どうやら、道のわからないお遍路さんと思われていたようだ。
野市の通りにはいったら、丸米旅館さんが新しくなって開業していた。
Kさんと二人して、エー。
kさん「それだったら、昨日がんばってここまでくればよかった・・・」
私「前に電話したときに、今やっていません、といわれたんだけど。廃業といううわさも聞いたし、それって新築中だってことなんだ」
ふたりして、きれいになった丸米さんをしばし観察及びのぞきをした。
ここは、Kさんご夫婦と私が3泊目一緒だったとこ、思い出は深いのだ。

28番さん、最後のほんの少しの坂をあがるまで、もう汗がだらだら、今日もがまの油どころか、プールから上がった状態だ。
しかし、さすがに入れ違いで団体さんが帰ったら、札所境内は深閑。シーズンオフを感じる。
ゆっくりとおまいりして、納経所へ。
荷物を置かしてもらって、奥の院へお参りに行く。
ここの水は首から上にきくというが、なによりおいしい。
しっかりいただいた。

のったり、のったりとあるいて、都築さんのお宅に向かう。
都築さんには、99年冬に伺ってお話をお聞きしたことがある。
あの優しい柔和な感じ、懐の深さを感じる雰囲気がとても好きだ。訪れる人に平等に善根宿を続けられるお姿は尊敬の一言。
ぜひ、おあいしていきたい。
遍路道の魅力的な人々のおひとりだ。
ということで物部川をわたり、土佐山田の田園地帯にはいる。
都築さん宅は農家だ。ちょうど、おばあちゃんがニラの束作りをしておられた。
挨拶をして、お父さん、はおられますか・・自己紹介をしてお聞きする。
「今は石鎚のお山開きで行っているがや。10日くらいまではもどらん」
そうか、都築さんは石鎚の行者さんだった・・忘れてた・・そりゃおられんわな。
しかたない・・・

しばし休ませていただいて、部屋におかれたノートを拝見する。
しばらくしたらお母さんが帰ってきて、私が自己紹介をしたらああ・・と思いだししてくださって「あのときよりやせたね」といってくださり大喜び。
冷たい麦茶をいただき、昨日は8人泊まった、部屋に入りきらないで、ここ(作業場)にテント張って・・ということだった。すごい・・この季節に・・。
生活、苦しいよ、農家はみんなそうでしょ、だから今はマンションの管理のしごともしとるがよ、という話。・・それでもなさるのがすごい・・といったら、食べるもんはあるきに・・とこともなげにいわれるお母さん。やっぱりここのご家族はみんなただ者ではない。

雨が降るどころか、空は晴れ上がってきた。あつい、あつい、ただそれだけ。
自販機で飲み物、へんろ石饅頭でまんじゅう休憩と休み続け。
11時過ぎに29番着。
途中で中司茂兵衛のしるべ石を2基見た。
国分寺はなんかさわやかで好きなお寺。
木で囲まれた境内が、涼しかった。大師堂脇の酒断地蔵のお堂がきれいになっていた。ここ、霊験あらたかだというし、な。

あつい、あつい あっち あちち。
田圃のなかはいいが、国道に出たらもう汗が泊まらずに目にはいる。
Kさん、どうもおなかの調子がよくないという。
困った。歩けるけどね、ということだが。
丸和石材さんの前を通りかかったら、休んでいってよ、といわれて「お遍路休憩所」におじゃまする。
クーラーだあ!! 
涼しい・・冷たいお水・・・すべてがうれしい。お祭りしてある大日如来さんとお大師さんをお参りしてゆっくりと休憩。あれほどしたたっていた汗が引いていく。
kさんといろいろなお話をしてなんと45分、1時半まで。
kさんおなかも心配だが行かないと・・いつまでここにいてもつかないから、ということで30番へ向かう。
冷たいお水と体が冷えたおかげで元気が出て歩ける、すたすたと。
外も、45分の間にまた曇って今にも雨が来そうだ。その分、涼しくなった。
一宮に抜ける逢坂峠、ずいぶんと道がよくなって歩きよくなった。
前はなんか気持ち悪い気配とトラックに閉口してたのに。

30番、2時半着。
ここは、国分寺とは対照的になんか好きじゃないというか、ボサとした雰囲気でどうも・・のお寺だ。Kさんにそういったら、争いをしたからでしょ、と一言。なるほどね。
飲むだけで食べていない、二人ともおなかが空き気味になってきたので、おやつを食べて団体バス2台分の遍路さんが去るのを待った。
3時過ぎ、30番を打って高知市内へ。
途中、農家の直販ショップで田舎に「マルセイユメロン」というなんかフランスみたいなメロンを送った。甥が好き、あいつはチビの頃、発熱してもメロンを食わすと熱がさがった奇跡の人だったから。そこで、スモモの完熟も完熟、もうもちもちのやつを買ってたべる。もううまくて、ほっぺ落ちそう。またしても、買い食いだ。お行儀がよくなくても、これが一番うまいのだわ。
農家の人たちに気をつけてや、といわれてまた歩く。

駅への道でまたしても中司のしるべ石。どうしたんだろうか、目に飛び込んでくる。

駅前通り出たところにあった、ビジンネスホテルの和室部屋にチェックイン。
ホオッと。Kさんはおなかが張ると・・ずっと言っているし今日はここがちょうどいいところ。やっと25キロというところか。
4時30分。
明日は雨らしい、困ったね。







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