世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年08月01日(木) 初体験!カヤックに乗った

昨夜は夜、さすがに冷えた。
すばらしい天気だ。
朝から、ジョージが鮭が盗まれた、と騒いでいる。
昨夜、さばきれなかった鮭を箱に入れて置いたらしい。それがなくなっているのだという。こんな人気のないキャンプで泥棒?びっくりした。
しかし、警察に電話してからジョージの友だちを自称するヤツが勝手に持っていった、ということが判明した。ラバーンさんは「どんな友だち?」だって。

昨日の網は私が来る、ということもあってかけたものなのか?
今日は網はかけてない。ヤレヤレ、だ。
でもサーモンは時々静かな海ではねているし、うじゃといるのは確かだ。

「クジラが見たい」と私が沖を見ていたらラバーンさんの夫でヘンリーさんが、この前ベルーガが沖を通っていったよ」
ベルーガ!!白イルカである。エスキモーたちはあれも食うんだったよねえ、確か。
見たい!!
といったら、いつくるかはわからない、と。もちろんそうですよね。

午前中は、海辺を散歩したり、石拾いをしたり、のーんびりした。
ピチャ、ピチャというかすかな波の音以外には聞こえない。後は静寂。時々ダートを走る車が通る。
浜辺にはセイウチの死体が転がっている。
ビューラーさんによると、春の頃に(氷が溶け出す頃)に流れ着いたものだという。頭がない。セイウチに牙を狙った密漁だ。

12時近くになって、昨日、生地を買った店に忘れたジャケットを取りにジョージの車でラバーンさんとともに行った。
いろいろなお店によって、お昼をホテルのレストランで食べた。
それから、私は郵便局に行って切手をかってをハガキを出す。昔の造形塾の子どもたちへ、だ。

帰りがけ、ツンドラによって2時間近くベリー摘みをした。
ワイルドブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、サーモンベリー・・そして松の香りのするエスキモーティ。
紅茶に入れて飲むと香りがしていい、身体にもいいと、ラバーンさんが説明してくれた。
摘みながら食べる。うまいのは、サーモンベリーだ。ねっとりとした濃厚な甘さがある。
何とっても、ツンドラのこけのかぐわしい香り・・・胸一杯に空気を吸い込むとそれだけで、口から自然と「ああ、いい匂い、ああいい気持ち」と言葉が出る。
ベリーは至る所にある。「この辺は7月の中旬まで雪だったの、それが解けたからいっせいにベリーが実をつけたのよ」とラバーンさんはいう。
ということは、雪の下でもう花をつけていたのか。でなければ、たったの2週間で実になるなんて不可能だ。短い夏を必死に生きる植物のしたたかな力、知恵を感じる。
「ブッシュのそばの実はでかい」とラバーンさんはいうが、その通りなので、できるだけ、ツンドラに這うようにある木々のそばをさがした。
帰ってすぐにワイルドブルーベリージャムをつくった。
昨日から、ラバーンさんに「イクラをたくさんおみやげに日本に持ってかえりなさい」といわれている。「でも、私はアムステルダムの友だちの所に行く」といったら、「じゃ、ジャムを作ってお友達の所に持って行きなさい」となったのだ。
ワイルドブルイベリーのジャムなってすごく豪華だよね。

夕ご飯の後、キャンプにあった鯨の骨(ホッキョククジラ)をもらって、ケリーにカットしてもらった。
ケリーはこの夏、キャンプにすんでいる男性で、カヤックのパドルを作っている。職人だ。アラスカのジュノーとフロリダのバハマに仕事場を持っている人だという。この夏はこの町での仕事らしい。
パドルだけ作るなんてかっこいいと思う。
ヒゲズラだけど、眼が優しくて私は好きだった。
このクジラ骨を磨いて「これはツンドラのイメ−ジ」といったらラバーンさんをはじめとしてみんなに褒められた。
鯨の骨には細かい穴があるのだ。それが無数の池を持つツンドラの姿に重なるのだ。

日が沈むまでは長い。
みんなで外の椅子に座ってのんびりした。
北極地リスという、モルモットのような大きさのリスが近くにいっぱいいるのだ。
そいつにエサをやったり、からかったり・・・
何度もつかまえようとした私はすっかり嫌われてしまったが・・・
ケリーがカヤックに乗って戻ってきた。
「ケリー、私も乗ってみたい」
といったら、「OK」ということで、初カヤック。
時間は夜の9時半を回って10時に近いというのに、黄金色の光の中を海にこぎ出した。
私は前、ケリーは後ろ。
静かな海をカヤックはすいすいと進む。時々ケリーが左、とか右とか、櫂をボートにぶつけないで離して・・とか簡単な英語で指示をくれる。
ヘエ・・・・カヤックてこんなに簡単だったの?
もうびっくりした。そして、風を切って夕方の陽の光で橙金色に染まった海を進むのは何と気持ちいいことか。
日本に帰ったら、小笠原で本格的にカヤックするぞ、と心に誓った。
「ケリー、ありがとう!!とても楽しかった、気持ちよかった」

*後日談
2人乗りカヤックは、後ろがしっかりした腕だったら、前ははじめてでも初心者でも支障なく動くのだという・・・改めてケリーありがとう、でした。

ベリー摘み、カヤック・・夕暮れ時ののんびりした心から夏を楽しむだんらんの時間。よい一日でした。 




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