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2002年02月02日(土) |
生かされている ●俳優たち(桐朋学園卒公) |
昨日は引き続き、竹内浩三を読んだ。
筑波の兵舎で綴られた日記。あるいは死に至る行軍に出る前の、手紙。
竹内浩三は、1921年に生まれた。
わたしは1961年。
この40年。たかだか40年の違い。
あまりに残酷な40年。
あまりに世界が変貌した40年。
40年という時間が、
期せずしてひょんと死ぬる人と、わたしとを分けている。
それほどまでに人の運命を分ける時間なのだ、40年というのは。
そして、わたしは、もう、その40年を生きた。
なんということだろう。
なんということだろう。
この40年という時間差を思ったとき、しばし涙が止まらなかった。
あまりに複雑に想いが交錯し、収拾がつかず泣いていた。 でも、泣きやんだ頃には、やっぱり、生きているのがありがたかった。
竹内浩三の23年間のことばは、きらきら光っている。
血反吐のようなことばもあるが、それは彼が血反吐のような暮らしの中にあったからだ。血反吐のようなことばの向こうに、きらきらした魂が透けて見えている。
人のことばに接してここまで感じることは、めったにあることじゃない。
***
今日は、若い人たちの芝居を1本観たあと、友人としばし、軽くお酒を飲みながら、「このところ」について話す。隠遁生活の今の身では、人と会って話すことから得ることが多い。人と話して、自分を知る。仕事をしていると、いつも一人になりたくてウズウズしているところがあるものだから、そういう機会を逃していたのかもしれないな。
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