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2002年02月19日(火) 毒と薬

 休暇中のわたくしとしては、普段めったにできないことを今いろいろやっておるわけで、テレビを見る、なんてのも、そのひとつなんである。仕事してる時は、ほとんど見ないからね。まず、家にいないし、帰ってからもなんだかんだやることあるしで。しかも、長らく壊れてつかないまんまで、仕事でビデオをみなきゃあならん時に、やっと買ったくらいだから。

 で、つけっぱなしにしていたら、時々、「おっ」と思う情報がながれてくる。今日の、午後のワイドショー。金熊賞を受けた宮崎駿監督が記者会見にのぞんでいる。受賞の喜びを語ったあと、(カットされていたのでどういう経緯でその話になったのかはわからないが)最近の子どもと、親のことを、嘆いている。いや、怒りを露わにしていると言った方が近い。

 携帯かけている親の横で、携帯かけている子ども。
 日本語もきちんと使えないうちから、英語を習わされる子ども。
 自分で火もつけられないうちから、パソコンのキーボードをたたける子ども。

 何をとっても情けない。親が情けない。誰もがいちばん大事なことを(子どものこと)真剣に考えようとしない。と、そのようなことを、氏は真剣に嘆いていた。憤っていた。

 毒にも薬にもならない番組の中で、突然怒りをあらわす宮崎さんの姿が画面から飛び出してきた。これは、その番組の趣旨的には、逆に「毒」の映像だった。アナウンサーは、「心にしみますね」とかなんとか言って笑顔を作り、次の話題へ。まあ、彼は時間で区切られた仕事をしてるわけだから、そのように流すしかないわけで、要は、突然の毒に、「えっ」と感じた視聴者が、どう感じ取るか、ですね。番組的には「毒」で、軽くあしらわれたことを、自分がちゃんと薬として、摂取できるかどうか?

 テレビといつもつきあっている人は、情報の受け取り方なんてのはもう先刻ご承知なのかもしれないが、わたしには、こうしてちょこちょこ発見がある。とは言え、見るのはやっぱりお笑い系が好きである。だって、「土曜の午後は吉本新喜劇と松竹新喜劇で決まり!」で育った関西人だもんね。

※ HP/Etceteraに「丑の輔さんのこと」をUP


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