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2002年08月07日(水) 軽やかならざる休日。

 休日なり。

 昨夜は同居者Mと渋谷で深酒。ビールと日本酒のあと、ワイン、最後はテキーラ。
 これがたたって、起きるともう正午過ぎ。

 昨日Book1st.で買った本を読み始め(ピューリッツァ賞をとったミルハウザー)、気になっていた広いベランダの大掃除を2時間もかけてやったものの、どうも調子が出ず、見に行こうと思っていた青劇でのイスラエルのダンス公演はパス。これがかなりいけるものだったと噂に聞き、ちょっと落ち込む。最近、どうも休日の行動力に欠ける。
 あげく、余った時間であれこれといらぬことを考え続ける。(今不安に思ってみても仕方のないこととか、今さらあせってみても仕方のないこととか)

 新聞で、島尾マヤさんが亡くなったと知る。喪主は島尾ミホさん。島尾敏雄の「死の棘」を読んだ人なら、なんらかの感慨があるだろう。しばし、自分の想像を遥かに越えたたくさんの人生が同時進行していることに、思いを馳せる。

 
 Mは仕事から帰宅して、何やら調子悪そう。夜もためこんだ仕事をこなすのだと言うので、夜食に好物のカツ丼を作る。夜中にカツをあげるというのもなかなか珍しいことだ。
 それでも調子が出ないらしく、早起きしてやるのだと言い残して、あっという間に寝てしまった。
 

 他者と暮らすということがどういうことだったか、ようやく思いだしてきた。
 お互いの、良いとき。悪いとき。その様々な度合いの組み合わせ。そして、お互いの間に存するものの温度感の移り変わり。

 
 形のない不安の澱が、自分の底に沈殿しているのを感じる、なんだか軽やかならざる休日だった。

 


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