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2002年08月08日(木) 慰撫はされずして。

 稽古場にて、嫌な事件あり。家に真っ直ぐ帰る気がしなかったので、事情のわかるプロデューサーW氏を呼びだして、蕎麦と日本酒を前にしゃべるまくる。

 午前1時過ぎ。本日は家にいない同居者Mを訪ねて深夜の町を歩く。ひたすらに飲んだ後のわたしと、今夜は仕事で一滴も飲んでいない彼。
 慰撫されるために行ったのに、簡単に思いを共有してくれることもなく、好きあってようやく一緒になれたと思っていたのに、わたしたちは相変わらず勝手にそれぞれ生きていて。

 逆に分かってもらうことよりも、それが慰撫ならぬ鼓舞になる結果。

 最後はタクシーに押し込まれて帰る。それもまた愛情や否や。

 どんなに愛していても、どんなに大切に思われていても、他人は他人。だから面白い。そしてまた、先に何が待っているか分からない。

 自分が自分として生きていくしかないだろう。きっと。


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