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| 2003年04月30日(水) |
酒がつれてくるもの。 |
●昨日、最終ツアー地の初日を開けた。幸福に。 ここに到着したときの禁酒宣言はどこへやら、連日連夜の酒びたり。新潟に来て日本酒を飲まないわけにもいかないからと、自分に言い訳しながら。 状況がいいのと慣れてきていることで、仕込みや稽古が早く終わるし、1日1回公演が多いので朝を気にしなくていいし、長い仕事の最終地点ということでスタッフ同志気心がしれてきているし、わたしにはこれから会うこともままならなくなる恋人がいたし、まあ、とにかく、酒を飲みにいく要素がすっかり集まってしまって。
2、3人で飲むことしかしないわたしが、連日の大人数飲み。そういう状況になると、わたし、必ずお道化に走ってしまう。久しぶりに馬鹿話だけで飲み続けた。それも、プレッシャーやストレスとさんざん闘う仕事のあとだから、楽しめること。
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と、ここまで書いたところでまた誘いの電話があり、夜の街に一人出かける。気のあう人ではあったので二人の酒を楽しんだが、、最終的にくどかれ、午前4時半にもなろうという時間に、ひどくしらける。それも、有体なくどかれかたではなくって、実にまっとうな愛情からくるくどきだったので、よけいにしらける。 何年も前からわたしに好意を持っているのは知っていたけれど、なんで突然、特別な関係を持とうとするんだろう? このわたしと。 だって、わたし、どうしてもこの人だと思う人がいるのに、なんでそれが楽しめるだろう。そこに行ってもいいかそこに行った方が楽なのかと、酔いのついでに思ったって、絶対そっちには行きっこない自分を抱えてるんだもん。
今の恋人との関係に疲れていた時期に、この人となら、と、結婚の約束をしたことがあった。実に優しい人で、わたしが生きていることを喜んでくれて、その選択に間違いはなかった。でも、わたしは最終的に、結婚なんかしないでくれと懇願した恋人を選んだ。実に、一人の男性を傷つけた。 よく、人に愛されそうになる。そういうとき、わたしはなんとか身をかわそうとする。今愛せる人は一人なのに、どうして、愛してほしいという信号を他者に送れるだろう? 一人の他者を愛するということで、わたしは多くの人を捨てている。実に不器用だと思う。でも、そんな風にしか生きられない自分をよく知っている。一人の他者を愛することは、だってそんなに簡単なことじゃないんだもん。
酒を飲むのも考えものだな。
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