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| 2003年05月06日(火) |
飽かず読む。心は揺れる。●家庭の医学(レベッカ・ブラウン) |
●好きな時間に好きなだけ読むものだから、妙な時間に眠り妙な時間に起きる。昨夜は午後9時に寝て、このまま12時間くらい眠ってやれと思っていたのに、1時半に起きてしまった。そのまま、また読み続けた。……馬鹿だ。 梅田の紀伊国屋で仕入れたものを読み終え、渋谷にある行きつけの本屋に出かける。今日は意識的に日本人作家のものばかり、6冊。本屋で金は惜しまない。持たざる時を迎えたときに泣けばよい。
●久しぶりの渋谷は……と言っても3ヶ月が過ぎただけのことだが……知らない店が2、3軒できていて、なんだかやけにわたしに対して空々しい。あんなに毎日通った街なのに。 恋人と深夜に通ったあんきもの美味しい居酒屋は1月に閉店してしまったが、そこは早くも風俗店に変貌していた。 本屋だけが、わたしに優しい。 渋谷に今度通い始めるのは10月。毎日そこを歩くようになれば、また街はわたしに懐を広げる。だいたい、そんなものだ。
●レベッカ・ブラウンは「体の贈り物」を読んでいたが、今日読んだ「家庭の医学」の方がはるかにわたしには好ましい。 それぞれの章に医学用語のタイトルがつけられ、つきはなしたような冷静な枠組みの中で、主人公にとってかけがえのない母親の闘病と死、家族たちの看護生活が語られる。 昨日の白石一文もそうだったが、生と死にまつわるものばかり、このところ読んでいる。白石氏のそれが、そのことをどんどん普遍化しようとするのに対して、「家庭の医学」では、ただただ、ある家庭の、ある母親の、生と死、それをみとる人の目に映る生と死、が、描かれるに過ぎない。どちらがどうとは言わない。わたしの「今」は、後者に心がより動いた、ということか。 わたしは、わたしの母のことを考える。考えるだけで、ずいぶんな時間が過ぎた。
●去年の5月、わたしに結婚を申し込んでくれた人が、最近のわたしの報われぬ恋愛の成り行きを知り、いまだに「待っている」と言ってくれる。9月にパリに発ってしまう恋人のことを思い、日々揺れるわたしの前で、いかにもその人は、わたしを幸せにしてくれそうに思える。しかも、彼は、わたしが恋人を思い続ける限り自分からはわたしに関わらないというルールをちゃんと守って暮らしていた。 そんな人を前にして、わたしは、恋人を追い続ける。何があっても。これはもう、どうしようもない。 ●明日は朝早くからの仕事なので、早く眠ろう。午前1時から眠気と闘いながら起き続けていた。買ったばかりの本を枕元に積んで、どれから読むか悩みながら。
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