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| 2003年05月20日(火) |
こんな思索などはるかに超えて…… |
●無為の時間はたちまちに過ぎていき、眠りの前に呆然とする。 抜け殻のまま、わたしは感じ、考え。 何も変わらず何も得なくても、この1日はちゃんと、わたしの一生の持ち時間にカウントされていく。 時が進んでいるのに、自分は進まない、そのことが怖い。だから無駄でも、考える。
いろんなことがあって、気持ちが揺れてて、何も書けない。
自分を慰撫するために、今夜は敬愛するレイモンド・カーヴァーの詩を写す。
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幸せ
朝はまだとても早く、外はまだ暗い。 わたしは、コーヒーを手に窓のそばで、いつものように早朝の 思索というやつにふける。 新聞配達の少年とその友達がやって来るのが見える。 二人ともセーターを着て帽子をかぶり、 一人の子は、肩からかばんを下げている。 すごく楽しそうだ。 何もしゃべってはいない。二人とも。 もし手があいていたら、二人は腕を組んで歩くだろう。 朝はまだ早く、 二人は一緒に配達をしている。 ゆっくりこちらへやってくる。 空が白みはじめたが、月はまだ川の上に青白い顔を見せている。 あまりに美しく、しばらくの間、死も野望も愛さえも入り込むすきまがない。 幸せ。それはふいにやってくる。そして、早朝のこんな思索など、 はるかに超えて迫ってくる。
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