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2003年07月06日(日) 再びのチェチェン人自爆テロ。

●ロシアで、またチェチェンによる自爆テロが起こった。
 4万人が集まった野外ロックコンサート会場で、少なくとも15人が死亡、34人が負傷という報道だ。
 昨年、観劇のためにモスクワを訪れた折、ノルド・オストの劇場占拠事件が起こった。当日劇場を訪れていたわたしは、滞在中激しいショックを受け、観劇のためと言うよりは、あのテロ事件を体験するための2週間だった。

 報道では詳細が分からないが、驚いたのは、テロが起こって死人が出ているのに、コンサートが続行されたという記述だ。終了後は警備当局によって誘導されて解散したと言うが、何故、続行?
 
 ノルド・オストの時。犯人だけではなく人質にも危険が予想される化学兵器を使って事件の解決を見たが、多くの人質たちが化学兵器によって命を落としたり、深刻な後遺症を残した。驚いたことに、人質分の解毒剤は用意されないままの、計画実行だったのだ。
 それなのに、テレビニュースに映し出されるのは、病院を見舞うプーチンの心配顔と、救い主を見るような人質たちの顔だった。
 わたしは「そんなわけないだろう! そんなわけないだろう!」と、聞き取れないロシア語のニュースを見続けた。少なくとも、映像として流される報道は、あまりに偏りのあるものだった。

 そして、このたびの。何故、続行? 
 
 相変わらず、分からない国、ロシア。彼の地の文学も、演劇も、愛してやまないのに、実際に訪れてから、疑問がつのる。
 また長時間滞在して、この目で確かめたいが、ことばの壁がどうしてもある。若いときにもっと勉強しておればよかったと悔いても、もう遅い。
 わたしはこの国で、何かをしなければ。


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