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2004年04月16日(金) わたしの足腰。

●心不全で死亡と発表された鷺沢萠さん、実は首つり自殺だったと新聞で読んだ。
 これまでに自ら命を絶った、少なからぬ数の友人を思う。「なぜ?」と虚空に問うても、問いはそのまま自分に返ってくる。答えに姿を変えず、問いのまま。

●現在の仕事場で、わたしは人間に苦しみ、人間に助けられながら、喘いでいる。
 うまく噛みあわないままに動き出してしまった歯車を修正するのは難しい。それが人間であるから、なおさら。
 長い友人が観にきてくれる。こころざし高い、同輩ではあるが、尊敬できる俳優だ。
 1時間、主演女優の楽屋であれこれと芝居の話をした後、劇場の前で二人、長らくの立ち話。わたしは心ある人のことばを、本音を、聞きたかった。
 やはり、出演者の前ではことばにしなかった批判やアドバイスが出てくる。
 プロダクションの建前の裏に隠されている根の深い現実を彼は理解してくれているので、批判はそのまま、励ましに変わる。
 話の最後に、彼が言ったことばが、しみた。
「大丈夫、今の苦労は、おまえの足腰になってるよ」

 血肉になってる、という言い方はよく聞くが、足腰って言われたのははじめてだ。
「よっしゃ、ふんばってやろう!」と、単純にも勇気と気力が沸いてくる。
 たかが、いや、されどのことばを支えに、足取りも軽く踊り続けようと、自分に活を入れる。


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