サミー前田 ●心の窓に灯火を●

2003年10月10日(金) thee 50s highteens

博多が生んだキューティー&ワイルド・ロッキン・ガールズ「thee 50s highteens」(フィフティ−ズ・ハイティーンズ)のデビューアルバムが、(いい意味でも悪い意味でも)日本一杜撰なレコード会社ピ−ヴァインから9月25日にリリースされた。

このグループを最初に目撃というか発見した時の衝撃は忘れられない。10代の娘がGS風の衣装でガレージパンクをやっている、カバーの選曲がマニアック&センスよし(デイ&ナイツ「バラをあのコに」とか)、オリジナルの完成度が高い。英語のカバーを中心とした下手な女の子のガレージ系って、ありがちだしあまり興味ないけど、彼女達の場合は日本語のロックンロールをやっているところがよかった。
昨年からオルガン奏者が変わり、以前は凄い強烈な顔で叫んだり客席につっこんだりする娘だったのが、現在のケイちゃんになって音楽的な水準も高くなった。あのままだったら、モンド的なヒドイモノ扱いだったに違いない。

そんな彼女達も今やアイドル的な人気さえある。東京のライブでは、カメラ持って撮っている人の数が多すぎて迷惑なくらい。
ボーカル&ベースのトモちゃんが16才くらいの頃に、ルルーズ・マーブルを聴いて影響を受けて結成したというが、最近ではルルーズの呪縛から抜けだしたかのように成長著しい。

今回のアルバムは、彼女達の魅力があますところなく詰まった仕上がり。
曲調が一本調子にならないところも凡百のガレージバンドとは一線を画していると思う。
CDを聴いて「ライブの方がイイ!」と言う人がいるのは当たり前で、ライブよりCDの方がいいロックバンドなんてやだね。曲を聴きたければCD、ナマを観たければライブ、というように差別化したかったのだ。一応スタジオ録音だからね。
収録曲は7曲。あっという間である。PVを作ったホットロッドナンバー「サプライズ・サン」のポピュラリティ−はプロフェッショナルな香りさえするし、「恋はこりごり」という曲のギターは「まるで村八分の富士夫みたいだゼ」などとアルバムを一緒に制作したチャ−リ−森田(ファントムギフト12月に再結成ライブ決定)も言っていた。もしかしたらこのグループ、実に深い魅力を持っているのかもしれない。いやほんと。


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サミー前田 [MAIL]

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