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ピヨさんは独りやもめでかわいそうだ。 ピー助もいなくなっちゃったし というのは、まるっきり子供の主観にすぎない。客観性なんかはみじんも入る隙がないのが、子供なんではなかろうか。 実際のところ、ピー助との体格差(ピー助のがちょっと成長してた)に、いじめられていたピヨさんである。 本当はひとりでいた方がよかったのかもしれない。 それでもお嫁さんは来た。 某デパートの屋上のペットショップ。キイロのヒナ、名前をピピさんという。 ピピさんは我が家一の暴れん坊だった。 ピピさんは愛くるしくぴちゅぴちゅ言いながら、肩にとまる。 肩にいるインコさんって、動くと羽根が首筋、ほっぺにさわってそれはくすぐったく気持ちよいのだ。 ぴちゅぴちゅぴちゅ〜♪ ←ごきげんなピピさん (かあいいなぁ) ←ごきげんなてんゆぅ だがその平和は、突然やぶられる。 ・・・・かぷっ!! ←耳たぶに噛み付く 痛いなんてもんじゃない。極小のペンチでつかんでひねる、ような感じ。 なまじ小さいくちばしなので、刺さるように痛いんである。血が出るかと思われるくらいに噛み付いて離さない。 と、いう暴れん坊のピピさんである。ピヨさんと仲良くするどころか、いじめたおす。威張りくさる。 ピヨさんは足が弱いのに本当にかわいそうやった・・・。 そんなピピさんも卵を産んだ。コロンコロンコロンと そしてあたためる、たぶん本能に従って。 孵るはずもない無精卵を ピピさんは取り上げても、取り上げても卵を産んで、そして死んでしまった。 ピヨさんは異変を感じていて、人が通るたびに尋常でない声で鳴いた。 一度も入ったことのない巣箱にまで入っていった。 天佑は怖くて巣箱をあけてやることができなかった。 こうしてピヨさんのお嫁さんは、ダンナを置いてソラへ飛んでった。 ピヨさんはまた独りやもめになったのであった。 |
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