便蛇民の裏庭
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チャイムが鳴る。 誰なのか確認するより先に子がドアを開けてしまうのだ。
「NHKの受信料、ずっと滞納していますよ。 国民の義務ですから払ってください」
「見ないのに払わないといけないんですか?」
「水道や電気代と一緒です。ただメーターがないだけです」
・・・。
ココは戦うしかない。 うちの少ない給料の中からこれ以上無駄金を出すわけにはいかない。
すると敵は子に、あるモノを差し出した。 ぐーチョコランタンのシール。
「あーっチョコランタンのシールぅ♪」
「知ってる?」
「知ってるー♪スプーとジャコビーとアネムとズズなのー」
・・・。
敵は満足げにぼくの顔を見る。 そして口座振替用紙を差し出す。
ぼくは敗北感でいっぱいだ。
こうなったら俺も男だ。いや、女だけど。 払ってやろうじゃねぇかコノ野郎。 (どうでもいいが、野郎という字は野口五郎の短縮形な気がしてならない)
敵が帰ると同時に電話が鳴る。 母上からに違いない。
「まさか受信料払ったんじゃないだろうね。 あんなもん払うのは馬鹿だけだよ」
払いましたよ。 そんでこれからもずっと。けっ
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