便蛇民の裏庭
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いつも歩きながらメールをうっている人を よくそんなことができるなぁと眺めていた。 自転車に乗ってなんかさらにすごいよ。 さらに傘さしてたりして、 あんたは曲芸師かいって女子高生とか 玉乗りもできちゃうんじゃないかと思ってみてた。
ポケットでPHSが鳴っている。自転車の運転中。 うわわわわっ。(相変わらず慣れていない)
「もしもーし」
ドガシャンッ
「もしもし?何?何の音??」
「自転車ぶっ倒しちゃっただけ」
「便ちゃんも倒れてるの?」
「んにゃ。ぼくは倒れてない。自転車だけ」
どうやら自転車というものは片手では起こせないらしい事を初めて知った。 そんで、ぼくは運転中は電話どころでないらしいことも。
「来るの遅いよーーー。もうろくなのないよ」
いつも行くのでもう顔なじみの花屋さん。
「カーネーションあればそれでいいんだけど。白いのはいっぱいあるねぇ」
「白いカーネーションは死んだ人にだからねぇ。 今年はなんか黄色いのが人気でねぇ。黄色から元気をもらうとか何とかで」
「そうなんだぁ。じゃぁこの黄色いのとこの細かいピンクの花でお願い」
母の日の花屋さんがどんなに忙しいかという愚痴を うんうんと聞きながらぼくは花を眺めた。
いつも思うけど、人にお花を贈るってのは気分がいい。
いつもなら玄関を開けただけで、 もしくは自転車を出してる段階で母上は絶対に顔を出すのだ。
「何処へ行くの?」「何時に帰ってくるの?」「誰と一緒なの?」
それが今日はなかった。 帰っても案の定母上は家から出てこない。
ピンポーン♪
と同時にドアが開く。
「あらあらあらー、わざわざ買ってきてくれたのかい? いやいやいやー、悪いねーぇ、ありがとねーぇ」
ぼくが花屋へ行くのだということを母上は知っているのだ。 自分への花を買いに行くと。 買いに行かなかったら何をいわれえることやら。
「そうそう便ちゃん、 あの子のむかしの彼女が忘れていった 腕時計があるんだけど、使うかい?」
「使わんよ」
「さっきベルトも交換してきたし、電池も入れてきたんだよ」
さっき?いったいいつから取ってあったんだそれは・・・・・・ どう計算したって8年以上前のシロモノだぞ。
「そうだねぇ、これは華奢なオンナノコな感じだからねぇ。 いつもオトコモノしてるあんたは好きじゃないかもねぇ」
母上様。 それはぼくが花を買いに行かなかった場合の
バツゲーム用
に取っておいて欲しかったです。
何だかんだと母上と話をしているそのころ 家には留守電が入っておりました。
「もしもーし、おーーーーい、とうちゃんだよーーーー。 もしもーーーーーし、なんでダレもいないんだぁーーーー? 父ちゃんは今日も帰りが遅くなるよーーーー。 もしもーーーーーし、もしもーーーーーーーーーしぃ」
それはハツリのあと続けて仕事が入り休日がなくなった 相方の叫びでありました。
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