便蛇民の裏庭
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いつものごとく学校で作業をしていた。
司書室の電話が鳴った。 司書さんが電話に出て、そしていった。
「便蛇民さんに電話ですって」
「ぇえ・・・ぼくにですか?」
「もしもし?」
『もしもし?便ちゃんなの!?そこにいるの!?』
「お義母さん?どうしたの?PHSの番号教えてなかった?」
『かけたら電源が入ってないっていうから・・・』
学校は電波がよくないらしく置き場所によっては圏外になってしまう。 半泣きの母上。
「で、なに?なにかあったの?」
『何もないの。ただかけてみたら繋がらなかったから心配になって』
「心配ってナニ?学校で作業だっていって出かけてきてるでしょっ」
『もしかしたらフーリンガンに誘拐されたんじゃないかと思って』
もしもし?フーリンガン?ってフーリガン? フーリガンに誘拐される?てナニ?
「お義母さん、フーリガンはこんなトコにいないから」
『でもほら、もしかしたらいるかもしれないでしょ』
母上はフーリガンをなんだと思っているんだろう?
「・・・今から帰るから、ね、それでイイ?」
『いや、いるんだったらいいの、いいの』
いいのいいのじゃないよぅ。 そもそも用事ないのに電話かけてきてるってところで こんなことに発展してるんだからさぁ。
「いやー学校に電話なんかして悪かったねぇ。 早く帰って来いって催促したみたいで」
「いや、それはいいけど(いくないけど) くだらないこと心配しなくっていいからね? 何度もいうけど、誰もぼくを誘拐はしないし ぼくも勝手にいなくなったりしないから」
「でもほら、世の中物騒だし」
物騒なのは母上の想像だよ。
ちょっと連絡が取れないだけで誘拐されたらしいぼく。 しかもフーリガンに。
救急車のサイレンがきこえれば ぼくらの誰かが運ばれていると思い込んで病院に問い合わせる。
消防車のサイレンがきこえれば うちが火事だと思い込んで早退してくる。
相方の帰宅が遅れたら 交通事故にあったと思い込んで病院や警察に問い合わせる。
ぼくが母上の留守中にちょっと近所に買い物に出たら 蒸発したとか思い込んで 帰ってきたら近所中オオゴトになってる。
30分で蒸発できるほど、ぼくは薄っぺらくないですよ。
最近止んでいた心配性、また炸裂ですか。
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