便蛇民の裏庭
DiaryINDEX|past|will
曇り空の下、朝の大通り公園。 平和の象徴ハトさんたちがポロっポーポロっポーと歩いている。
便ちゃんはお茶を片手にその光景を眺めていた。
一人のおばさんが大きな紙袋をもってやってきた。 紙袋からパンを取り出し、細かくちぎって投げ与え始めた。
どんどん集まってくるハト。 どんどんどんどん集まってくるハト。
最初は細かくちぎっていたパン屑が ちぎるのが面倒くさくなってきたのか なんだか遠目にどんどん大きくなっていく。 どうもハトに向かって投げつけているようにしか見えない。
どんどんどんどん集まってくるハト。 どんどんどんどんどんどんどんどん集まってくるハト。
そこへ一羽のカラスが。
「こうやって見るとカラスでっかいなー」
どうしよう、ここに次々大きい鳥がやってきたら。 最後はやはりダチョウだろうか。 とかバカな想像をして眺めていた。
おばさんはしまいには紙袋からビニール袋を取り出し 逆さまにしてぶちまけ始めた。 あたり一面パン屑だらけ。
「どうする、あの紙袋の中にまだパン入ってたら」
ジーっと観察していると おばさんは紙袋の中からまたパンを取り出した。
あまりのタイミングのよさに笑ってしまった。
こんな平和な光景をボーっと眺めているぼくが その瞬間、世界中で一番平和にちがいないな。
|