便蛇民の裏庭
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2002年07月27日(土) 胸の奥

行きつけの店で彼女を待ったまま一人飲んでいた。
スタッフくんはいなかった。
他に客もいなかった。

ぼくはなんだかせつなかった。

今頃彼女はきっと泣いてる。
彼と離れがたくて泣いてる。
いつものようにこっそり。

そう思うとせつなかった。

メールしてみようか。
でも、邪魔しちゃうかも。

もう客も来ないし、とマスターと二人で飲みながら
いろんな事を考えた。

「マスターおかわり!」
「6杯目ですけど大丈夫すか。けっこうキテないですか?」
「大丈夫!マスターが家まで送ってくれるから!」

実際は酔えてない。
頭の中がぐるぐるまわっているのは酔ってるせいじゃない。
どんどんどんどん、何かが自分の中でさめていく。

人のキモチっていったいなんだろう。
愛とか、恋とか。

「お腹空かないですか?厚焼き玉子でも焼いてあげましょうか」
「食べる♪」
「じゃぁ半分ずつにしましょう、ぼくのおごりです」

恋の話を考えながら厚焼き玉子を頬張るぼく。
自分には恋は似合わないな、と痛感。

「はい、マスター、アーンしてー」

笑いながら口をあけるマスター。
マスターの焼いてくれた卵焼きはふかふかで
ちょっと涙が出た。





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