便蛇民の裏庭
DiaryINDEX|past|will
2002年10月17日(木) |
満たしたいという歪んだ愛 |
昨日、兄発熱と知って頭痛を訴え泣き出した妹。 夕方から大騒ぎとなり頭を冷やし体を温め、 病人二人の出来上がり。
今朝にはすっかり熱も下がり、頭痛もなかった。 念のため一日様子を見る、 という名目で休ませ3人でだらだら過ごす便蛇民家。
母は素直じゃない女だ。 例えばぼくのことが心配で会いたいとか声がききたいとか そんな時でもそう思われるのがイヤなのだろう。 そんな時、母は何かを大量に作る。
「作り過ぎたから取りに来なさい」
同じ市内ではあっても端と端。 車のないぼくはバスに乗り地下鉄に乗りの移動で結構面倒。 しかもキムチを大量に作られた日にはバス内地下鉄内ニンニク臭に満ちる。
先日。
「おかーさんね、イクラ作り過ぎたの。とりにおいで」
今実家には母と母彼と弟しかいない。 似非弟はこのごろいない。 弟もいないことが多い。 なのに。
「5腹分作ったのー。明日また5腹分作るから」
誰が食うんだ誰が。 イクラ丼どれだけ食わせる気なんだ。
「あんた、大丈夫なの?」
「大丈夫じゃねぇよ、あはは」
「あんたがしっかりしないと子供たちかわいそうなんだよ」
「知ってるよ、ぼくはあなたに育てられたんだからね」
「なんだったら近くの地下鉄駅まで持ってってあげようか?」
「いや、いいよ、取りに行くよ」
「相方くんとじゃないだろうね」
「まさか。今相方つれてったら、殺しかねないでしょ?」
「殺す価値もないでしょ」
たとえ夫婦としての関係が維持されても 婿と義母という関係は永遠に修復されないだろう。
かーさん、あなたは不器用な人だ。 でも、ぼくを愛してくれているのが良くわかるよ。 ありがとう。 あなたの娘でよかったです。
|