Sotto voce
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父と母が正式に離婚して、
母が旧姓に戻って
ひょっとしたら故郷に帰ってしまっても
生きている限り私と母が親娘であることは変わらない。
他人に贈り物をするのは難しい。
もしも気に入られなかったら、そればかり考えてしまうから。
気の利いた贈り物を選べるほどのセンスがあるわけでもないし。
たとえ、どんなにいがみ合ったって母が私の母であることは変わりなく。
離れて暮らしていても母の日を忘れてしまうほど鈍感じゃないつもりだ。
でも、用意した母の日のプレゼントは
電話の向こうから聞こえてきた、誰かに囲まれてにぎやかな母の部屋に
届けに行くのをためらっているうちに
車の中に入れたまま渡すタイミングを失ってしまうのだろう。
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