Sotto voce
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2004年05月11日(火) 『遠くへ行かないでよね!』

その知らせは、20年来の女友達からのメールが教えてくれた。


中学の2年先輩、Mさんが急逝した。

まだ33歳という若さ、9ヶ月の娘を遺してクモ膜下出血が原因で

本当にあっけなく逝ってしまった。

友人IとMさんは、一時期ではあるがかつては同じ職場に働いていて、

当時はMさんの愚痴をよく聞かされたものだった。

おっとりとした女性で、それが時に仕事に関してはマイナスになるようで、

Iにとってはストレスの素だったらしい(苦笑)

それでも、やはり元同僚、さすがに突然の訃報には驚きと衝撃がぬぐえないようで。



人の命はいつか尽きる。

でも、こんなにあっけなく、突然に逝ってしまったときと

ある程度覚悟していた上での訃報に触れるのでは、衝撃度がまるで違う。

一番悔しいのは本人だろうが、

こんなにあっけなくいなくなられるやるせなさはどうしようもない。



しばらくIとメールのやり取りをしていて、

最後に彼女はこんな言葉を送って来た。

『M(←私)も、お家のことや仕事のことで

疲れたり、思いつめたりするかもしてないけど、

絶対に、急にあたしの目の前からいなくならないでね。

勝手にひとりで遠くに行かないでよね!』

彼女はこの日記の存在を知らない。

彼女の前で家や仕事で行き詰って、時にはどうしようもなく落ち込んで、

生きる気力をなくすことなどを話したことはない。

でも彼女は私の中にある影のようなものを察知しているのだろう。

そして何よりも、彼女は身近な人が突然いなくなることの悲しみを知っている。

彼女の父親は、我々が高校生の時に自殺という形でいなくなってしまったから。




彼女のメールを読みながら、

彼女や、私を取り巻く全ての人を悲しませるような真似だけは、

絶対にしてはならないんだ、と

数行の短いメールが改めてあたしに実感させてくれる。






安積 紗月 |MAILHomePage

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