Sotto voce
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2004年11月15日(月) 彼を連れて行くな!

それは、たった一通のメールから始まった。


いつものように午後の仕事を始めようとデスクにつき、

携帯を机の引き出しにしまった瞬間、メール到着。

何気にあけてみたら、友人の奥さんからのメール。

一行読んだ瞬間、愕然とした。


突然の、あまりにも突然の、友人の死を告げるメール。


奥さんからのメールには最低限のことしか書いてなくて、

何が原因で亡くなったのか、それすらわからない。

とにかく誰かに伝えなきゃ、ひょっとしたら誰か何か知っているかもしれないと

メールをうとうとするが、指が震えてキーを打てない。

他のサークル仲間は誰も知らず、電話の向こうで泣き出したり、

嘘だと言ってくれ的なメールが返ってくる。

それだけ彼が皆に愛されていて、本当に急に最期を迎えてしまったのだと思ったら

ものすごく悲しかった。


とにかく思いつく限りの連絡先にメールをし、伝言を頼み、

久々に昔のサークル仲間と電話で話したり。

こんな形でみんなと交流することになるなんて、夢にも思わなかった。

やっと一息ついたときにはすっかり疲れ果て、泣く気すら起こらなかった。


彼とは、とある詩のサークルに同時に入会したのがきっかけで出会った。

今時素朴な純粋な青年で、とても温かい言葉をつづるひとだった。

自分にはない世界を持ってる人だから、尊敬していた。

結婚し、子供も生まれ、まさに『理想のパパ』を地で行く男だった。



それなのに・・・

どんなに考えても、出てくる言葉は、なぜどうして、まだ早すぎる。だ。

どうして彼みたいな人を、早々とあの世に行かせないといけないのだ。

あたしみたいにいつもネガティブに

死にたい消えたいなどと言ってる人間を生かしておくよりも

彼みたいな人にずっと生きててほしいのに。




他県に住む、彼にお別れをいえない人たちの分まで、

あさって彼にお別れを言ってくる。


・・・でも、正直まだ迷っている。

彼にお別れを言わなきゃ絶対後悔する、でも。

会ったら会ったで、彼がこの世からいなくなったのを実感せざるをえなくなるから。


安積 紗月 |MAILHomePage

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