Sotto voce
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君がこの世からいなくなったことで
君に関わったみんなを再び呼び寄せることになるなんて
そんなの悲しすぎる。
君を天国に送り出すために集まるなんて。
在りし日の君を偲ぶために集まるなんて。
思えば、君の悪口を言う人なんて誰もいなかった
あいつはいい奴だ、人間として最高のいい男だ
誰もがそういって君を愛していたよ
君とは割と近い場所にいるから
会いたいと思ったらいつでも会える
そう思ってずっと会わずにいたよ
でも、明日でもう二度と会えなくなるんだね
記憶の中の君はいつも笑顔で
へんてこりんなポーズでおどけてみせたり
へったくそな歌でみんなを和ませたり
いつだってみんなを幸せにしてくれた
そのくせ自分のことは後回しで
恋にはいたって不器用で
ずっと思ってきた人を射止めたときの君の笑顔
とてもとても輝いていた
君と君の言葉に出会ってもうすぐ10年
君も君の言葉も とてもまっすぐでとても優しかった
世の中を穿った目でしか見れない私には
どうしても綴れない世界だった
言葉を綴るのに勝ち負けなぞあるはずないけど
君の書くものにはどうしても勝てなかった
それは飾らないありのままの君の心からの言葉だったから
紅茶と言葉と音楽と車を愛していた
家族を愛していた
友達を仲間を愛していた
そんな君を誰もが愛していた
愛とか恋とか関係ないもっと大きな気持ちで
みんなが君を愛し、君を欲していたよ
最期に君は君がここからいなくなったこと
みんなに伝える役目を私に与えてくれた
君の死を悼んで、ばらばらになっていた仲間たちの縁が
ものの見事に繋がっていく軌跡を私に見せてくれた
明日、君にお別れを言いに行くよ
この国の津々浦々に散らばる
君と君の言葉たちを愛した人たちの分も
最後に君に掛ける言葉 ずっとずっと探している
でもどれもこれもありきたりすぎて
本当に伝えたいことが言葉として出てこない
君を目の前にしたら きっと何もいえなさそうな気がして
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