Sotto voce
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ここは異空間。
自分の城が一番居心地がいいのはわかっているけれど
時々そこから離れたくなる。
きちんと掃除された部屋
糊の効いたリネン類
シングルのはずなのに二人でいても窮屈じゃないベッド。
部屋の真下は大通り
昼夜問わずに行き来する車の音
でも、今の私にはこれくらいの方がちょうどいい。
「枕が変わったら眠れない」ほど繊細ではない。
だけど、物音ひとつしない方が
まとわりつく空気の重さ怖さを感じて眠れなくなってしまった。
何よりも安心できるのは
隣に人がいるということ
だけど朝めざめたときにはひとり
これからまた日常の中に戻っていく
少し湿り気を帯びた布類は
二人の汗の余韻なのか
ひとり残された自分の涙の跡なのか
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