Sotto voce
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2005年08月28日(日) 指環の理由。

何が二人を駆り立てるのか

足りないものやなくした時間を

取り戻すかのように

つかの間の逢瀬を繰り返す。



右手薬指に光る

指環の理由を君は聞かない。

聞くほどの理由でもないと

さほど意味はないものだと

思っているから聞かないのだろう


私だけにしかわからない理由

私だけにしかわからない意味

前の男からの贈り物

別れたばかりの男からの指環

私はまだその人を忘れられない

心まではまだ君に奪われたくない

私なりのささやかな抵抗。



君の左手に在る指輪

私の右手に在る指輪

暗闇の中でそこだけが

二人を照らす光を集めたように

鈍い光を放っている。


安積 紗月 |MAILHomePage

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