Sotto voce
DiaryINDEXpastwill


2005年09月09日(金) 次の約束もないままに。

それぞれを取り巻く環境が全く違う

ふたりの日常の中で

ほんの数時間のタイミングを狙って

繰り返される逢瀬


あなたの視線に犯されながら

私は私を脱ぎ捨てていく

あなたが私の肌に触れて

私があなたの肌に触れて

ふたりの吐息が闇に溶けて

リアルタイムの快楽に溺れているのに

まるで遠いどこかの出来事のようで

濃密で奇妙な時間が流れていく


現実に戻れば

さっきのひとときが嘘のように

他人の会話を交わすふたり

帰り際 次の約束も交わさずに

淡々とそれぞれの生活に戻っていくふたり


その瞬間から

「もう『次』はないんじゃないか」と

わけのわからぬ不安に囚われる


安積 紗月 |MAILHomePage

My追加