nomiの思考

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蘇生
2004年05月03日(月)

菜の花も終わってしまったんだ。

いつもの帰り道。坂の途中、ふと線路沿い
の土手一面に鮮やかに咲いていた菜の花
がなくなっていることに気がつき、足を止め
る。

花の命は短い、か。

全てが「混沌」のなかにある。そんな自分
を振り切るように、視線を真っ直ぐ前に戻
し再び歩き続けた。

−もしあらゆる「恐怖」を超えるものが「好
奇心」であるならば−

そんな問いを自分に浴びせ、ぴょんぴょん
跳ねながら、こっちへ向かって歩いてくる
少女の姿を、ぼんやりと眺めていた。

やがて、真っ白なワンピースを着たその少
女は、目の前でくるりと舞うと、スキップで
軽快に通り過ぎていった。

その姿は
菜の花の黄色のように鮮明に、私の脳裏
に焼きついた。

ただ「歩く」ことを純粋に楽しんでいた幼い
頃の自分を思い出す。

『ツツジ』の花の蜜がとても甘かったこと。
『蛇いちご』を食べたこと。
『蜜蜂』を素手で捕まえ、糸を巻きつけて
はブンブン飛ばして遊んだこと。
小学校の階段を『5段抜かしで駆け下りる』
に挑戦し、骨折したこと。

うーん。色んな意味で痛い。(笑)

でも、「勇気」とか「変わること」以前に大
事なものを持っていたように思う。

だから
歩きながら舞う少女のような心を、いつま
でも忘れないでいたい。

菜の花は、来年も再来年もずっと、またこ
こで咲き誇るんだ。




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