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「アハハハッ」 「難しそう」という先入観から、手に入れて 以来、しばらく放置していた本を読んでみ ると、これが意外に面白い。 「やっぱ笑える話っていいよねー」などと独 り言をいいながら、一人部屋で笑い転げて いた時のこと。 廊下を歩いていた母親が、私の部屋に接近 し、扉の前で足を止める気配がした。 「怪しい者ではありません」といわんばかり に、本のページを、わざと聞こえるように音 を立てて捲る私。 我が子が一人部屋にこもってブツブツと独り 言をいっている。いつ何が起こるかわからな いその気配に、母親は震えていたに違いな い。 ハッ 震えていたのは母親だけ・・・? よくよく考えてみると 学校や職場でも、勉強や仕事をする際、にわ か声を出しながら暗記する習性があったこと は否めない。 ブツブツとお経のように唱えている時がある かと思えば、突然「あれ、おかしい、なんで かね・・・」などと喋り出す。 学生時代、先生の話しにいちいち大きく首 を縦に振り、頷く人を見て思ったこと。 「心の中で頷こうよ」 独り言をいう私に対して、周りに居合わせた 人々が、それに似た気持ちを抱いていたとし ても不思議はない。 なんだか怖くなってきた。 今更だけど、今度、勇気を出して友人に聞い てみよう。
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