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寛は、正義感が強く、世界の平和を心から 願う男の子。高校のテニス部の夏合宿で、 山中湖に来ている。寛にとって、1週間の夏 合宿は、思った以上に長かった。 なぜなら、1年生の寛は、「優等生」というた だそれだけの理由で、先輩達に疎まれてい たから。それでも寛は黙って耐えた。「憎し みは憎しみしか生まない」のだと。 ◇ 炎天下の中、ハードな練習が続いた。3年 生の先輩に名前を呼ばれたものが、交代 で水を飲みに行っている。だが、いつまで 待っても、寛には休憩時間がやってこない。 すると、休憩から戻ったばかりの2年生の 先輩が、突然、寛の目の前で倒れた。 「大丈夫ですか」 寛は、先輩をかついで日陰へ連れていくと、 再び練習に戻っていった。 その一部始終をみていた1年生の古生が、 今にも倒れそうな寛に近づき耳元でこう囁 いた。 「お前が倒れたら俺がかついでやる。さっ きお前があいつにやったみたいに」 ◇ 黙々と練習を続ける寛の姿に、古生は「忍 耐に咲く花」というものをみたような気がし た。
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