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2004年07月20日(火) 富山にて雑感

富山に帰ってきてから、ほとんどの時間を、私は実家の「ピアノ室」で過ごしているわけですが、さすがに篭もりっぱなしの生活はストレスが溜まるだろう、と思っていたのに、意外とそうでもないんですね。
もちろん朝から晩まで弾きっぱなし、というわけではなく、お昼ご飯食べたり、雑誌をぱらぱらと読んだりもしているんですが。

まあ、でも、これは、身近に家族の気配があるからかな、と思ったりもするのです。
ドイツで、一日中家に篭もってピアノしかしなかったら、どんどん気持ちが滅入っていくことが多いのですが、実家だと、「ちょっと休憩」とピアノ室から出ると、やれ「お茶を飲め」だの「梅干でも食べろ」だの、ヤイヤイ言ってくれる祖母や、先月末に退職してから家の中の雑務に終われて、かえって忙しそうな母の足音や、そういう、慣れ親しんだものに囲まれているが故の充足感というか、安心感というか、そんなもののおかげで、全くストレスなくピアノに集中できる。
いやいや、一人暮し歴がもう7、8年にもなるのに、まだまだ私も子供ですね。

でも、その反面、こういう生活を、私は心の底では望んでいるわけではないのかも、と思わせる出来事が今日はありました。

私の弟は、マスコミ関係に勤めていて、帰ってくるのは夜中の1時2時が当たり前、ときには出勤が朝の4時、なんていう不規則な生活をしています。
それでも、番組作っていく作業はとても面白いらしく、活き活きとしているのです。
私は、その様子を見て「大変だねぇ」と思いながらも、うらやましくも感じていました。
もともと、人と関わることが好きな上に、昔から何か企画したりするのが大好きな私。学生時代は、部活の部長とか、委員会の委員長とか、そんな役に必ずと言っていいほど付いていた私。
その私が、家に篭もって、家族以外に誰とも会わず、一心不乱にピアノだけ弾くようになるとは、誰が想像したでしょうか。
忙しい弟は、今朝、私がピアノ室に篭もっているときに、母に向かって言ったそうです。「いこちゃん(弟は私のことをこう呼ぶのです)こそ、外でバリバリ働きたいだろうねぇ。家に篭もっとったら、鬱々とするだろうねぇ。」と。
それを後で母から聞いたとき、この今の生活をそれなりに楽しんでいたはずの私なのに、なぜか、不意に泣けてきそうになっちゃいましてね。
なぜなのか、よくわからないけれど。
本当は、私も、外でバリバリ働きたいのかもしれません。
退職した後も嬉々として、会社の方達と連絡を取り合っている母を横目に。
外の組織に入るのも、ある意味、とても幸せなことなんだろうな、と。

ま、ないものねだり、ってやつでしょうけどね。


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