二日連続、コンサートです。
今回のベルリン響の演奏会は、何があろうと行こうと思っていた。 というのも、ソリスト、マルク・ラフォレ。 彼は、私にとっては、思い出深いピアニストだからだ。
昔、習っていた先生が、ラフォレの大ファンだった。 当時、ほとんどクラシックのCDも聴かず、何が良い演奏かなんて、全く考えた事もなかった私。 盲目的に、当時の先生の言葉「ラフォレを聴きなさい!」に従い、私は、浜松や大阪での彼のソロコンサートに出かけていった。(もちろん、その土地に、他に用事があるときばかりだったのだが。) 当時の私の感想は、正直、美しいけどなんだか物足りないな、というものだった。 確かに、繊細で、美しい、でも、なんかよくわかんないや、と思った記憶がある。 でも、先生がオススメするんだもん、きっと、ものすごくいいんだ、絶対。と、信じていた、純朴だった若き日の、IKUKO。
そのラフォレを、今の自分は、いったいどう聴くか。 本当に個人的な思惑で、聴きに行った今日のコンサート。 彼が出てきたとき、こう、思った。 「あらー、ラフォレ、禿げたなーー!!」(すみません・・)
弾きだして、こう思った。 「昔の私も、けっこういい耳、持ってたんじゃないの。」
そう、やっぱり、なにか、足りないのだ。 昨日のソコロフにあったような、強靭なタッチや綿密なテクニック。そういう、インパクトのある長所が、少ない。 音が綺麗、まあ、そうだけど、それも、普通よりもちょっと上、といった程度。 なんていうか、圧倒されるものがなく、ロマンティックなショパン弾き、で終わってしまいそうな彼。 あああ、もったいない。
しかし、コンツェルトハウスって、本当にピアニストにとっては地獄のようなホールねぇ。 全く、響いてこないんだもん。 あれは、ラフォレだったから特に、というわけでもないだろう。 お疲れ様でした。
→コンサート日記
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