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2004年12月16日(木) 主義に反して惚れたかも

最近、ヤバイのだ。
嫌いなはずだった人を、好きになりつつあるのだ。
お願い、最後まで、「好きじゃない」ままでいさせてくれ。
じゃないと、日本に帰国するのが、つらくなってしまうから。

何って、
同性愛者である(これは関係ないが)、私のピアノの先生と、なぜか最近、
ものすごく強烈にシンパシーを感じまくっているのです!!


男ばっかり贔屓するし〜
気分屋だし〜
生徒に熱心じゃないし〜
なーんて、しょっちゅう文句を言っていた過去2年。
ところが、なぜか、今学期に入ってから、先生の態度が急変。
ものすごく、「いい人」に、大変身しちゃっているのだ。
過去2年のレッスンの中で「おお、今日は機嫌が良い」と思う日が、今学期は毎週連続で続いている感じ。

いったい、彼に何が起きたのだろうか・・・。
この疑問は、学内でも結構噂になるほど。

生徒の私としては、もう、ありがたい。本当に、ありがたい。
ようやく、彼のレッスンのありがたみを、肌で感じられる今日この頃。


特に、今、私は主にシューマンのクライスレリアーナをレッスンに持っていっているのだが、この曲、「私の運命の曲リスト」に加わってしまいそうです。
※「私の運命の曲リスト」=私のピアノ人生の上で、奏法に劇的な変化をもたらしてくれた曲や、大事な場面で必ず弾くような、大切な曲(決していわゆる十八番、というわけではなく)。ショパンのバラ4やシューマンのソナタなど。

やばいよ、美しすぎて!!この曲!!
超有名だから、ご存知の方も多いと思うが。
これは、なんつうか、聴くよりも、弾く側にまわったほうがいいかもー。
演奏者の自己満足・自己陶酔の欲求をことごとく満たしてくれる。
こんなに、一音一音が大切に思える曲、私にとっては初めて。(もちろんどの曲でも一つ一つの音は大事なんだけど)
かみしめながら、弾いてます。

また、ドイツものは苦手なはずの私が、この曲に限ってはビックリするほど曲に集中して入っていけるんだな。
どこもかしこも、好きで好きで仕方ない。
なんていうか、敏感に、シューマンを感じ取れて、共感して心が震えてしまう(奢りではないと自分では信じているのだが)。
なんていうか、曲との相性がいい、ってヤツでしょうか。
あああ。シューマン・・・。やばい・・・。(昇天)
(・・・なんだか調子に乗って書いたけど、私の音楽に対する感覚って、ちょっとエロい・・・? 良い演奏を聴くと擬似恋愛のような胸の高鳴りを覚えてしまうし。変な人になってきているかもしれない。)

それもこれも、最近の良いレッスンのおかげですわ。
うちの先生、シューマンに関しては、かなりこだわりがあるので、レッスン内容が濃いんだ、これが。
最近は、もうめっちゃ密度の高い集中力で、1時間半フルに(これは実は珍しい)無駄のないレッスン。
終わった後、ぐったりするけど、心地よい疲れ。

しかも、最近は私自身も、なにかこう、自分の理想の演奏へのコツ(技術的な)をつかみかけてきておりまして。
この夏から秋にかけてのリサイタルやコンクールの経験のおかげで。
そこが、なんというか、先生に、どうも伝わっているようで。
この「コツ」が、先生と私とは、かなり似ているのですわ。
まあ、2年も彼についていったのだから、私が似てきたのでしょうけれど。
(でもあくまで「理想の演奏」は、微妙に違うのだけどね。)
お互いに、「そうそう、コイツわかってる」みたいな、ある種共犯めいた喜びが、最近のレッスン中には多々ありましてねぇ。
いけない、いけない。
好きになってしまいそうだ。うへへ。

もーう、やめてくれよ、完全帰国まであと半年、って時になって。

あ、ついでに、卒業試験の曲目を決めてきました。
協奏曲は、ラヴェルをやるぞ〜!!楽しみ〜!!


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