| 2003年01月08日(水) |
少しずつ変わってゆく |
最近、上司は機嫌がいい。 冗談交じりにコトを進められる。 いきなりプレゼンをやれと言い出すクライアント。なんざ怖くない。 タッグ組みましょ、おーるおっけー。
やっぱりね。 仕事は和やかにしたいよね。
時々キレるけど。
昨晩はいつもの溜まり場@渋谷から電話があった。 昔の名刺しか渡していなかったので古巣の新参秘書が電話をとったらしい。 たまたまいた知り合いが携帯の番号を教えてあげてくれたそうで、 そしてアタシにかかってきた電話の声はおろおろしていた。
なによ? どしたのよ? なんでアタシよ?
「何でもいいから。とりあえず来てよ。今日来られない?」 「あー。いいよ。明日休みだからこれから行くねぇ。」
呑んだ後はその足を大崎まで伸ばしてみようかとも算段する。 あれこれ考えながら走って息せききって飛び込んだ馴染みのお店。
マスターと普通に挨拶。 女将とも普通に挨拶。 にーちゃんは相変らず口数少なく、動きにはムダがない。
渋谷の某店は閉めるそうな。 次のことはまだ何も決まっていないという。 マスターはいつも通り笑っている。 女将は少し寂しそうにしている。 アタシはいつもの男山を1合しか頼めずに行き詰まる。
「落ち着いたらね。ちゃんとね。連絡するからね。」 「会社は変わっちゃうかもしれないから。携帯の番号教えておくね。」
男山の代わりに呑んだ黒龍も美味しかったのだけれど。 アタシはやっぱり男山が呑みたい。 けれどけれどけれど。 と。 駄々をこねられず、タクシーに飛び乗る。
「大崎へ。」
どうもね。 このお店には何かひっかかることがあると来てしまう。 ここも以前、渋谷にあったBAR。
あけまして。おめでとう。 久しぶりの顔と新しい顔と優しい顔と気まずい顔と昔の顔と今の顔。 ごちゃごちゃ。 アレコレ考えながらごちゃごちゃ。
ごちゃごちゃだけれど、いつも思うことがある。 動かない蠍を見ながら思うことがある。
私の愛したものは必ず私から遠ざかってゆく。
例外なく。 おそらく。 これまでも。 これからも。
そしておそらく。 それは私のせいなのだろう。 これまでも。 これからも。
けれどおそらく。 何も変わらないのだろう。 これまでも。 これからも。
床にうずくまった黒い犬を眺めながらふとこんなことにも思いを巡らせてみた。
そう言えばご主人様はどうしているだろう、と。 その行方をアタシは誰に聞いたらいいのだろう、と。
けれど。 教えてもらったところで何かが変わるのだろうか。
と。
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