年明けから忙しいのでペースダウン。 少しだけ緩く跳ねる風に撒かれるので押し黙ってみた。
みる。 停まった掌を見下ろすようなことをするタチではないので 掬いきれない散り散りが置き去りにされてゆく。 置き去りにしてゆくので彼らが蟠る。のです。
どこかで悲鳴をあげている。 もちろん聞こえている。 けれど差し伸べる手はなく、痛み放題にされているそれら。
愛しいですか。 けれど愛されていますか。
それはアタシではないので。
イタイ。
どうやら4月上旬の頃の陽気だった陽射しは、 気がついたらすでに斜めを向いていた。
アタシの仕事はいつも夕方から忙しくなるのだが、 珍しく今日はそれが夜早めに止まった。 が、パート契約なので。 1日7時間拘束なので。 ちょっと粘ってみる。と、湧いてくるのだな。仕事というのは。
少し残業をしていたら、内勤兼務で働いているインタビュアーの彼女が 「ねぇ、ねぇ、一緒に帰ろうよぉ。」と纏わり付いてきた。
何かあるなぁ。 ぜーーーーーーーーったい何かある。
アソコの喫茶店で時々お茶するんだよぉ。 ムコウにも何軒かお茶できるところあるんだよねぇ。 今日、早く仕事終われたよねぇ。 ねぇねぇ、晩御飯は何にするの?
「ねぇねぇねぇ。」
ハイハイハイ、お茶して行こうね(笑)。
インタビュアーの彼女とコントローラーのアタシとは立場が違う。 いろいろあれこれ話し込む。 情報交換少しといっぱい。 とどのつまり。
働きやすくなるといいね。 するからね。 も少し待ってね。
新人のアタシは新人のクセに、と帰り道、またどこかで撓む。歪む。
小田急の車窓はそろそろ見飽きた。 仕方なく、そろそろ読み終わるであろう文庫本の頁を捲る。 揺れるのはアタシと、昔見た瑶子の目。
いくつかの事柄が、だから置き去りにされている。 けれど、どうにもならない。
だから「また」のような。 そして「やはり」。 のような。
お願いだから。
早く。殺して。
あるいは早く。
迎えに、来て。
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