今日の日経を題材に法律問題をコメント

2002年03月19日(火) 再び、志村化工の株価操縦について

 日経には載っていなかったのだが、志村化工の株価操縦事件で、証券取引監視委員会は、株価操縦を知りながら売買の注文を受けたネット証券に対し、行政処分をするよう金融庁に勧告したそうである。


 しかし、事実関係としては、ネット証券の担当者は、株価操縦であること知りつつ売買の注文を受けたのだから、共犯ではないか。
 したがって、刑事処分となることもあり得たと思う。

 その意味では、行政処分というのは、処分として重くはないといえる。


 しかし、このようなことを繰り返していると、いずれは刑事事件に発展することもあると思う。

 そうなると、雪印乳業や、三菱自動車のように、一挙に社会的信用を失うであろう。
 とくに、ネット証券などの新興の証券会社は、信用を失ったときに、それに耐える体力がないため、倒産の恐れさえある。


 確かに、仕手筋、仕手株という言葉が日常的に出てくる世界であり、株価操縦であることを知りつつ注文を受けるというのはどこでもやっていることかも知れない。

 だからといって、目先の利益に走っていると、将来すべてを失う恐れがあることに注意を喚起したい。
 


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