2002年03月28日(木) |
弁護士はそんなに儲かる仕事ではない |
日経社会面で、「リクルート事件 あす論告求刑」との記事が載っていた。
「えっ!まだ裁判していたの?」という感じである。
記事によれば、初公判以来、12年間、318回の公判が開かれたそうである。
ただ、ここでは、リクルート事件の問題や、長期化した裁判の批判ではなく、弁護士報酬について書いてみたい。
弁護士費用は、着手金と報酬金に分かれる。
着手金は、最初に必要な費用であり、裁判に勝っても負けても払わなければならない(弁護士もただでは動けないのだから)。
報酬金は、裁判に勝ったときに発生する費用である。
江副さんが着手金を幾ら払ったかは知らないが、大きな裁判であり弁護士1人ではできないこと、全面否認していたので長期化が予想されていたことなどから、着手金は2000万円と仮定する。
個人が2000万円を払うというのは大変なことである。 弁護士は儲かっていいなあと思うかも知れない。
これを時給に直して計算してみる。
弁護士は最低でも3人は必要であろう。 そうすると、一人あたり約666万円が収入である。
裁判は318回開かれたから、一回当たり2時間として、636時間。
江副氏は、裁判の前に、一回の裁判あたり、4回か5回打ち合わせをしたと言っているから、平均して4.5回する。 一回の打ち合わせに2時間かかったとすると
318回×4.5回×2時間=2862時間
それ以外に、弁護士だけの打ち合わせも必要である。 また、記録を読んだり、書面を作成する時間が必要である。
これが、一回の公判当たり、3時間かかったとする。 すると、318回×3時間=954時間
以上をトータルすると4452時間となる。
先ほどの666万円を4452時間で割ると、 一時間あたり1495円となる。
ただし、これには、交通費、事務費などの経費はまったく計算に入れていない。 また、着手金に対する税金も考えていない。 捜査段階では、何度か逮捕された江副氏に面会に行っているはずであるが、それらの時間も考慮に入れていない。
それらを考慮すると、時給は1000円以下になりそうである。
弁護士というのは、そんなに儲かる仕事ではないのである。
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