2002年03月30日(土) |
証券監視委の権限強化は賛成であるが、実現は難しい |
日経16面に、経団連が、日本版SEC創設構想を打ち出したというインタビュー記事が載っていた。
あれっ、「日本版SECはあったのじゃないの?」と思って読んでみると、
現行の証券取引等監視委員会では不十分であり、これを金融庁から独立させ、アメリカSECのように、独自の行政処分権、企画提案権を与えるという内容のようである。
その内容を要約すると
投資家の金融資産を効率的に運用させることが国家的命題であること、
そのためには、市場取引のルールを透明にする必要があること
これまでは、自由化ばかりに目がいって、市場の透明さの確保が見落とされてしまったこと
このような透明さの確保のために、証券行政を銀行・保険行政から切り離し、資本市場に関する監督権限を監視委に集中させる必要がある
という内容である。
日経7面には、アメリカでは、エンロン問題を教訓に、SECが最後のチェック役になるには、大きな組織も容認せざるを得ないという流れが強まっているという記事が載っていた。
すなわち、監視機関の強化というのは時代の要請といえるものであり、経団連の構想に賛成である。
ただ、独立の監視委を創るということは、官僚が自己の権限を手放すことを意味するから、果たしてそのような認めるだろうかという懸念がある。
また、権限の強化と同時に重要なことは人材の確保であるが、SECに優秀な人材が集まるだろうかという疑問もある。
したがって、実現性という意味では、期待薄といわざるを得ないのではないだろうか。
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