2002年04月11日(木) |
特許の審判制度の見直しについて |
日経3面に、パチスロ特許紛争が揺れているとの記事が載っていた。
先月、東京地裁で、パチスロの特許権侵害で、84億円という史上最高額の損害賠償が認められた。
ところが、その前提となる特許の有効性について、特許庁が特許無効の暫定判断を出した。
そのため、損害賠償請求の前提が崩れそうなのである。
このような複雑に事態になる理由は、特許の有効性は、原則として、特許庁が第一審的役割を担うことになっており、他方、裁判所は、特許が有効であることを前提に、特許の侵害があったかどうかを判断するという構造になっているからである。
そのため、制度の見直しの議論がでている。
しかし、最高裁は、「一元化は労力が節減できる効果があるが、審理期間が長くなる面もあり、どちらがいいとは言い難い」との立場のようである。
しかし、一元化して労力が削減できるのであれば、審理期間も短くなるのではないか。
おそらく、最高裁は、特許の有効性まで第一審で判断するとなると、裁判所の負担が加重になるのを恐れたのだろうが、やはり、一元的な制度にした方が、迅速さの点で優れているように思う。
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